・第二に、改革のプロセスが継続、強化されれば、チェコ、ポーランド、ハンガリー、スロベニア、エストニアおよびキプロスは、中期的には必要な進展を達成可能なこと。そのため、欧州委員会はこれらの国に加盟交渉の開始を勧告しました。
・第三に、欧州委員会はこれらの国および、加盟を申請している他の中東欧5か国に対して、個別の「進捗状況に関する報告」について評価を受けるよう勧告しました。これにより、すべての申請国が、加盟準備のために明確に規定されたプログラムである、「加盟のためのパートナーシップ」の利益を享受し、2000年から2006年の間に、総額210億ECU(約240億ドル)の加盟前援助を受けられます。また、現在の加盟国とともに欧州議会へ参加する資格も与えられます。
この資金援助は、第二次大戦後に西欧諸国の復興に貢献したマーシャルプランを、GDP比で上回るものですが、加盟国のGDP合計の1.27%以内というEU予算の上限は据え置かれる見通しです。
二週間前、欧州委員会は申請国に関する最初の年次報告で、数か国が達成した進展を賞賛しました。また、進捗が遅くなった数か国に注目し、すべての申請国が一層努力することが、全員の関心事であることを示しました。
交渉が開始されたチェコとスロベニアの二か国については、いくつかの重要な分野で十分な進展が見られていない点に懸念を表明しました。また、ラトビアにも特に関心を払い、直ちに交渉を開始するほど十分準備が進展していないものの、これまで通りの進展が続けば、来年中には加盟交渉手続きに加われるだろうと結論付けました。
私は、初の年次報告について詳述することで、欧州委員会の拡大準備に対する評価が客観的かつ包括的なアプローチに基づいており、相互関係に重点が置かれていることを明らかにしました。
このアプローチは今後も続けられます。これは、誤った期待を抱かせずに、現実的な励みを与える最善の方法です。そして、統合に向けた、確固とした安定的で持続的な進展に最も必要とされる要件を満たすものなのです。
また年次報告では、拡大過程が共同作業であり、申請国は協力者であるとともに、進展への真の貢献者なのであって、嘆願者や従属者ではないこをが強調されています。それ自体、もちろん、統合拡大という課題を実現する実際的な方法の本質であり、責任の分担という、自由な経済、社会の特徴を備えているのです。