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シー卜85

 

「あなたは大丈夫ですか」の解説

 

「あなたは大丈夫ですか」の質問は、汚職に陥りやすい職員かどうかをテストするもので、いずれも「はい」と答えた人の方が汚職に陥りやすいと言えます。すなわち、

 

1 優しい人は、人から頼まれると断りにくく、ついつい無理をしてでも相手の希望をかなえようとします。国民からの要望を真剣に検討し、真摯に対応することは当然のことですが、それでもできないことはできないと相手に説明することが公務員の責務と言えます。

 

2 相手は、あなたに特別な便宜を図ってもらいたいからあなたを誘惑してくるのです。つまり、あなたに特別な便宜を図れるだけの能力があるから相手は接触してくるのです。そして、相手のそうした期待に応えたい、自分は他の職員より能力があることを示したいとの気持ちから、特別な便宜を図ってやりたいと思う危険があります。

 

3 てきぱきと精力的に業務を処理する職員、そんな公務員に頼めば何とかなるかもしれないと業者はあなたに近寄ってくるのです。そして、他の職員よりも忙しく働くあなたは、自分は多くの業務をこなしているのだから、少しぐらい役得があってもいいのではないかと思っていませんか。

 

4 仕事だけでなく、私生活も楽しみたいと思うのは人間であれば当然のことです。しかし、その思いが強すぎると、ついつい私生活を豊かにしてくれるかもしれない業者の誘惑に乗ってしまいがちです。

 

5 義理・人情にあつい人は、お世話になった相手から依頼されると、お返しをしなければならないという気持ちから、相手の無理な願いでも聞いてしまいがちです。公務遂行とこうした私情とは敢然と切り離すことが必要です。

 

6 刑事罰に至るような汚職も、最初のきっかけは昼食を奢ってもらうなどのちょっとしたことから始まるケースが多いようです。こうした軽い誘惑が積み重なって、倫理観が麻痺し、極端な場合には収賄にまで至ってしまうのです。

 

7 業者が公務員に接触してくる場合、公務の決定そのものについてではなく、決定に至る手続に関して便宜を図ってもらおうという場合があります。ちょっとした手続ぐらいなら結果に影響はないであろうと、便宜を図る、そのような積み重ねが汚職や腐敗に至るのです。

 

8 見栄っ張りな人は、相手の特別な便宜依頼を実現してやることによって能力以上の自分を見せようとしたり、高価な物を身につけたいとの欲求から、便宜を図った見返りに業者に高価な物品を要求したりするおそれがあります。

 

 

 

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