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シート83

 

各国の汚職度調査

 

近年、各国の汚職・腐敗度を調べた調査がいくつか行われています。調査は主に、国境を越えて経済活動を行う民間企業に、各国の公務員の腐敗度について質問し、その結果を集計しています。このような調査の実施は、経済がグローバル化し、民間企業が各国公務の腐敗度について関心を有するようになっている表れとも言えましょう。

実際、グローバルな活動をしている企業は、公務の腐敗度が高いとされた国の政府を信頼せず、その国での経済活動には、見えないビジネスコストがかかり、カントリーリスクが高いと判断するでしょう。その結果、その国における経済活動を控える企業もあるでしょう。自国の信頼度に影響をもたらしかねないこうした調査結果を、いくつかの国では真剣に受け止め、汚職・腐敗問題の警鐘として参考にしています。

以下、最近行われた2つの調査の結果を紹介しましょう。

 

1 アジア諸国の腐敗度調査

 

香港のコンサルタント会社がアジアの12カ国・地域を対象に実施した調査で、アジアで働くビジネスマンに、各国公務の腐敗度について質問し、その結果をまとめたもの。同調査は定期的に行っている。

1996年の調査結果によると、公務の廉潔度は高い国から次の順番になっている。

シンガポール、日本、香港、マレイシア、韓国、台湾、タイ、インド、フィリピン、インドネシア、ヴィエトナム、中国

 

2 腐敗度指数

 

ベルリンに本部を置く非政府団体Transparency Internationalが、世界各国を対象に行った公務の腐敗度に関する調査。ビジネスマン、政治学者、一般国民にその国の公務の腐敗について尋ね、その結果を指数化して表示している。この調査は定期的に行っており、下記の結果は1997年のもので、十分なデータが得られた52カ国の指数を公表している。

腐敗度指数ベスト10(満点は10点で、指数が高いほど廉潔度が高いことを意味する)

デンマーク 9.94

フィンランド 9.48

スウェーデン 9.35

ニュージーランド 9.23

カナダ 9.10

オランダ 9.03

ノルウェー 8.92

オーストラリア 8.86

シンガポール 8.66

ルクセンブルグ 8.61

腐敗度指数ワースト10

ナイジェリア 1.76

ボリビア 2.05

コロンビア 2.23

ロシア 2.27

パキスタン 2.53

メキシコ 2.66

インドネシア 2.72

インド 2.75

ヴェネズエラ 2.77

ヴィエトナム 2.79

日本は、腐敗度指数6.57で、21位に位置している。なお、本調査の結果は、Transparency Internationalのホームページ(http://www.transparency.de/)にて閲覧できる。

 

 

 

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