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7-3]

OJTにおいては、単に業務指導を行うだけではなく、人材育成も行うことが基本となる。業務の指導は教える、やってみせる、やらせてみるといった方法が基本となり、人材の育成には権限委譲するなど自ら創意・工夫できる経験の場を提供したり、自己啓発へと動機づけるなどの方法がある。したがって、OJTは部下の成長に効果のあるすべての方法を利用することが望ましい。

 

8-3]

部下は経験することによって問題解決の方法を理解できるなど、経験は、理論や知識の学習とは異なる効用を持っており、その優劣は一概に論じられない。

 

9-2]

上司の指導しようとする安易な意図は部下にすぐに見破られてしまう。常日頃の態度や行動の中での率先垂範こそが大切である。

 

10-3]

OJTは、仕事に関係して行われ、その結果が直ちに仕事の成果となって現れることが少なくない。

これに対して職務を離れての研修は、仕事の成果を直接に見ることのできない研修担当者が管理することから、成果の測定が難しいという弱点がある。

 

11-4]

OJTは、上司と部下の関係の中で行われるもので、人間関係に影響を及ぼすことから、考え方、期待レベル、方法等に食い違いがあれば感情的なしこりが生ずる可能性がある。

 

12-1]

忙しい職場ほど、業務改善や創意工夫の必要性が高く、部下もそのような必要性を感じていることが多い。したがって、忙しい職場ほど、OJTの実施に適していると言える。

 

13-1]

育成の観点から権限を部下に委譲するに当たっては、部下が一生懸命がんばれば達成できる程度のレベルと量の仕事を委譲することが望ましい。それよりも高いものを委譲した場合には失敗して逆効果となってしまう可能性がある。また、委譲した場合には適宜報告を求めて進捗状況をチェックしアドバイスをするなど、成功へと導く配慮が必要となるが、細かく管理し過ぎると委譲の効果がそがれてしまい、好ましくない。さらに、委譲した仕事の最終責任はあくまでも管理者にあるが、部下にも実施責任はあり、そのことを十分に部下に自覚させる必要がある。

 

 

 

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