仕事ばかりでは、「井の中の蛙」にしてしまいます。それに今年は彼の同期の者が参加することですし、彼にとっては大事な時期です。仕事はみんなでカバーしあって何とかするようにしましょうよ。来年だって、絶対参加できるとの保証はありませんからね。是非、小谷君をこの研修に参加させてくださいよ」と巻き返した。
しかし、井上班長は、
「私だって、無理を言っているつもりはないんですよ。これから仕事が山場を迎えるというときに、小谷君を出せと言われても・・・」といって譲らない。
久保田班長は、すぐに説得するのは難しいと判断し、いったん引き下がった。そして、本人の意向を聞く意味もあって小谷君を呼び、研修参加の話をしたところ、小谷君は、
「中堅係員研修は、前々から楽しみにしていました。他の人たちから刺激を受け、互いに研さんを深める良い機会だと思いますので、是非参加させてください」と答えた。
久保田班長は、研修は大切なものだと思っており、また、小谷君も研修に参加したいとっているので、井上班長に無理にでも承諾してもらうほかはないと考えたものの、なかなか良い説得の方法が思い浮かばなかった。
(議論のポイント)
・井上班長の考え方・判断についてどう思いますか。
・このケースにおいて、小谷君を研修に参加させるべきだと思いますか。参加させるべきと判断する場合、あなたなら井上班長をどのように説得しますか。