第4章 部下の育成
監督者の職務として重要な要素の一つに部下の育成があります。監督者は、担当する部署の業務を遂行するために、部下の能力育成に努めることはもちろん、組織全体の人的資源充実の観点も併せ持つことが大切です。
4-1 能力開発
部下の能力開発に無関心で、育成については研修担当官や本人任せにしている監督者が多いのではないでしょうか。監督者は能力開発の重要性・必要性を自ら認識し、効果的・効率的な能力開発手法について理解し、自ら部下の育成に努めることが必要です。
(議論のポイント)
・職員の能力開発はなぜ必要なのでしょうか。
・能力開発は組織が主体的に行うべきでしょうか、それとも職員の自己責任に任せるべきでしょうか。
・能力開発の手段としてはどのような手段がありますか。
シート48 能力開発の必要性と手段
4-2 能力開発の手段
能力開発の主な手段としては、職務を通じての研修(OJT)と職務を離れての研修(Off-JT)があります。管理者としては、この2つの研修の利点・欠点を理解し、うまく組み合わせながら、部下の能力開発を進めていくことが大切です。
(議論のポイント)
・「職務を通じての研修(OJT)」と「職務を離れての研修(Off-JT)」とは、それぞれどのような研修を言うのでしょうか。
・「職務を通じての研修(OJT)」と「職務を離れての研修(Off-JT)」のそれぞれの利点・欠点を述べてください。
・この2つの研修をどのように活用、組み合わせたらいいでしょうか。
シート49 「職務を通じての研修」と「職務を離れての研修」
ケーススタデイ:次のケースについて考えてみてください。
シート50 「仕事か研修か」
シート51 「仕事か研修か」の手引き
4-3 研修ニーズの把握
能力開発は重要ですが、しばしばどのような能力を開発するかについて明確なプランを持たず、行き当たりばったりで研修を実施したり、職員の個人的な希望だけを考慮して研修に派遣したりする例が少なくないようです。研修も業務の一環として行うものですから、やはり効果・効率性を追求するべきで、そのためにはまず研修ニーズを把握する必要があります。そして、業務を管理し、部下を指導する監督者が、もっとも的確に研修ニーズを把握できる立場にあります。