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職場の人間関係
職場の人間関係が職務能率に影響することは、誰もが経験することです。実際、近年の調査では、リーダーの知能とそのリーダーが率いる組織の業績との相関は低く、リーダーとそのリーダーの上司との間の人間関係の良し悪しと業績との相関関係が高いことが半明しました。つまり、上司との人間関係が良好なリーダーは、心おきなく職務に打ち込めるのに対し、上司との人間関係に悩むリーダーは、その解決にエネルギーを使い果たし、リーダーシップを十分発揮できないというわけです。
以下、職場での人間関係の特徴、良好な人間関係を構築するための留意点について述べてみましょう。
1 職場での人間関係の特徴
職場での人間関係の特徴としては、次のような点があげられます。
(1)人間関係は組織の目的達成のための手段にすぎない。
確かに人間関係は業務達成のための重要な要素ですが、良好な人間関係そのものが職場の目的というわけではありません。従って、業務成績を後回しにして、人間関係を重視することは本末転倒と言わざるを得ません。業務を達成するために必要であれば、一時的に人間関係を悪化するような措置を取ることも、監督者の責務です。
(2)役職、役割が明確である。
職場では各人の役職、役割が決まっていて、指揮・命令ラインが定まっています。このような職員間の関係を前提にして人間関係を考える必要があります。
(3)職場の上司・同僚を選ぶことができない。
人事配置について、通常、職員にはその選択権がありません。その職場の人間関係が嫌いでも、離職しない限り、そうした関係から逃れることはできません。
2 良好な人間関係を構築するために
良好な人間関係を築くためには次のような点に配慮することが大切です。
(1)相互理解を図る。
自分を相手に理解してもらうとともに、相手を理解することが大切です。そのためには、自ら心を開くとともに、相手の話をよく聞くことが重要です。
(2)相手の立場に立って考える。
これは自分の利益を捨て、相手の利益を優先させることではありません。自分の視点を離れて、相手がどのような背景・思想からそのような行動・主張をしているのかを考えることです。そのように考えることにより、自分と相手の共通の利益などが見えてくることがあります。