3]法定外普通税の現状と活用方策
現在、法定外普通税として課税されている6税目の課税状況は、資料9のとおりである。
核燃料税については、原子力発電所の立地に伴う地域住民の生活の安定、福祉の向上、さらには防災対策の充実等に必要な財政需要の増加に対処するために電力会社を納税義務者として課税されている。核燃料物質等取扱税についても、核燃料サイクル施設について同様の観点から課税されている。
また、砂利採取税、山砂利採取税についても、砂利の採取場等が所在することにより、砂利の運搬のため大型自動車が頻繁に往来するため、道路の修復、拡張、交通安全対策等に特別な財政需要が生じていることから、砂利採取業者に課税を行っているものである。
このほか別荘等所有税についても、別荘等の所有者が受ける行政サービスに着目した税であり、基本的に非定住人口に対する課税となっている。
また、沖縄県の石油価格調整税についても、本土との揮発油税の税率差に着目し、その収入差をもって県内離島向けの燃料用石油製品の価格調整を行っているので、住民の税負担が他地域に比べて重くなっているわけではない。
アンケート調査においても、法定外普通税の利用について「納税者の理解を得ることが困難」という回答が56.7%で地方団体、有識者ともに一番多かった。
法定外普通税については、2]で述べたような制度改正が検討されているが、地方団体は法定税目と課税標準が重複せずかつ有力な税源が地域に存在する場合には、住民の理解を得てその財政需要を賄うため法定外普通税を課税していくことが可能であり、今後、地域行政の担い手として環境対策、廃棄物対策、高齢者福祉対策など新しい行政需要に対応した財源を賄うため、法定外普通税の可能性を探っていくこととなろう。
アンケート調査では、法定外普通税の新設について、環境保全等に関する税、ギャンブル課税、プレジャーボート課税、観光税、携帯電話税などを挙げた回答があった。