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第3部 講演録

 

演題 「PFIの現状と展望」

 

講師 株式会社第一勧銀総合研究所

研究開発部長 松浦 友尚

 

只今ご紹介賜りました松浦でございます。本日は宜しくお願い申し上げます。ご紹介にもございましたように、私は銀行員でございますけれども、2年前から第一勧銀総合研究所というところで委託調査の仕事をしております。委託調査と申しますのは、本日ご出席の方々もあるいはお仕事の中で利用されたご経験もおありかと思いますけれども、公共関係の方、自治体の方、民間企業の方等個別のニーズをお引き受けするものでございます。このPFIにつきましても、私個人的にはイギリスでやっていたわけでございますけれども、一昨年頃から民間企業の方が90社ほどを集まりまして共同研究をおやりになったのですが、この中でテーマとして採り上げてまいりました。その関係もございまして、私どもも日本の中でもいろいろと協力をさせていただいております。その中ではやはり、自治体の方あるいは民間企業の方、それぞれの方々とお話しする機会が数多くございます。

まだまだPFIにつきましては勉強すべきこともたくさんあると思いますが、その中では私もこういった機会におおいに勉強させていただきたいということで、今日は参加させていただいております。ひとつ宜しくお願い致します。

 

なお、ご質問につきまして予め「質問表」というものを頂戴いたしておりまして、これを拝見いたしますとやはり皆様、非常にPFIについてのご関心を示されているところで、非常にレベルの高いご質問をいただいております。従って形としては、先程お話がございましたけれど、これ(配付資料)に沿いまして概略説明した後に、ご質問の方にそれぞれお答えするという形式を採りたいと思います。尚、話の中でも触れられるものにつきましてはできる限り触れていきたいなというふうに思っております。

 

それでは早速でございますけれども、最初の頁からお話申し上げます。PFIの概要につきましては、もう既に皆様もご存じのことと思いますので経緯としましてはかいつまんでお話ししようと思います。ここで重点としては、PFI単体で取り上げるよりも、やはりサッチャー政権以降、79年からの民営化にともなって初めてPFIというものがでてきたと、こういう捉え方をすべきではないかと思われます。

まず、これは日本の現状についても言えることですけれども、サッチャー首相就任時代にはやはり財政難、あるいは改革をしようと思ってもなかなか手がつかない。そういう状況でどうやるか、といったときに民営化ということで民間にそのまま移管しても、産業あるいは企業としてPFIが含まれるもの、成り立つものについてまず進めようということで、最初に民営化を行い、その次にではサービス自体を外にそのまま出して、民間企業にやってもらうのはどうだろうかということで、アウトソーシングをやりました。あるいは、これも一時議論になりましたが、部局について減量化すると。こういう議論を踏まえて、さらにスリム化ができないかということで出てきたのがPFI事業だと。従って、今のPFIの形がイギリスでできるまでに、19年かかっているということであります。何を申し上げたいかといいますと、やはりこれだけ大きく公共事業についての見方そのものを変えるということですから、もちろん斉々とした議論の中ではありますけれども、やはり本格的な導入には時間がかかるであろうというふうに、率直なところは思っております。

 

 

 

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