小学校近くの老人ホーム跡地を掘削地として選定し、平成7年9月からボーリング開始、約7か月後、1,100メートル掘り下げた地点で採取した地下水の分析を依頼した結果、
○泉温 29.1度
○泉質 アルカリ性単純温泉
で、毎分420リットルの湯が湧出し、温泉法の規定をクリアすることが分かった。
その後、地元との意見交換と前後して、自然環境調査を1年かけて行なった。
平成9年4月には、整備基本計画を定め、整備の基本コンセプトとして、「温泉と豊かな自然環境を活用した、多世代が楽しく憩える余暇・レクリェーション拠点として整備し、市民の健康づくりにつなげる。」という理念を確立した。
3. 民間活力の導入の模索と手法
事業方式の視点を、民間活力の導入、環境への配慮、情報公開の三点を基本に据えた。
民間活力の導入という視点で、議論の的になったのは、施設の管理運営をだれにするかという点であった。
考え方として、
1] 純民間会社
2] 都市整備公社や観光協会など市の外郭団体経由の純民間会社
3] 第三セクター
の三案が上がったが、議論の段階で、いずれにも一長一短があった。
すなわち、1]純民間会社に一任する場合、一貫した経営方針のもと、責任ある運営が期待でき、行政改革の流れにも沿うなどの利点がある反面、不公平感が出ないか、さらに公有財産を純民間会社が管理運営する事例が無いといった点が指摘された。2]一方、外郭団体を介すると契約が複雑になるうえ、関係者が多くなるので、素早い対応や意思決定が難しくなるという点に問題がある。3]また第三セクター方式は、管理運営責任があいまいになるおそれがあるといった難点が指摘された。
結局、「委託ではないため経費節減できるうえ、民間のノウハウを活かしたサービス充実も期待できる。」として、全国的にも例のない純民間会社に一任する公設民営方式を打ち出し、公募で選んだ民間業者に施設を賃貸し、温泉を運営させることとなった。