IX 大阪市における民間活力等を導入したまちづくりの事例について
大阪市計画調整局企画調整部
政策調査課長 高内悦次
1. はじめに
本市においては、大阪が世界の人々が集まり交流する舞台としてふさわしい施設や都市基盤の整備を推進することにより、集客魅力の層の向上を図り、新産業や文化、新技術を生み出すとともに、市民の生活に活力とうるおいを創造していくことを目指して、「国際集客都市」づくりに積極的に取り組んでいるところである。
21世紀の大阪の発展を確固たるものとしていくためには、大阪の個性を活かしたまちづくりを可能とする各種規制の緩和や地方分権の推進などを求める一方、大阪の独自性を発揮して、新しい産業などを生み出し都市機能を活性化していく新たな仕組みづくりが極めて重要であると考えている。
以下には、これまでの本市におけるまちづくりの具体的な事例について紹介する。
2. 湊町プロジェクト
湊町地区は、旧国鉄貨物ヤード跡地を中心とした約17.5haの大阪都心「ミナミ」に残された大規模な開発用地であり、道路・鉄道等の交通条件に恵まれ、関西国際空港とも直結しており、このような立地条件を活かし、「国際集客都市大阪」の玄関として、また、国際化、情報化に向けた新しい高度な都市機能を有する開発拠点として整備を図ってきたところである(図-1)。