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6. 既存公共資本活用方策の基本的な視点

 

以上、本市の既存公共資本活用の事例を紹介したが、そのまとめとして、以下に基本的な視点を述べる。

 

(1) 留意点

 

1] 徹底利用(施設の使い切り)

既存公共資本の新たな活用方策の検討に際して、既存施設の効率的あるいは徹底利用がなされているか、点検が必要である。それは施設が整備されれば施策の目的が達成されるのではなく、時代により住民ニーズが変化することもあり、施設がニーズに合致して、効率的にうまく運営されて初めて達成されるものである。場合によっては「惰性」で運営されていて、休止、廃止を含めて再検討すべき施設もあろう。

 

2] 多目的利用

既存施設の機能に新たな機能を付加する。日々発生する多様なニーズに応じて、単一目的から多目的利用を図るものである。

 

3]良いものは残る、残す

良いデザインの建築物は、愛着や懐かしみの対象として人々に愛されることとなり、元来の機能を廃止した後でも新たな活用を図ろうという機運を助長しやすい。

 

(2) 活用の方向

 

1] 空間利用

施設上部空間や公園・オープンスペースなど都市空間そのものも視野に入れる。オープンスペースは、そのままでも防災上の位置づけができる。

 

2] 地理的条件の活用

地形(平坦地、丘陵地など)、施設分布の密度(学校、保健所など)、都心か周辺部か、など条件に応じた利用を図る。

 

3] 歴史的建造物などの活用

歴史的建造物の中には市民にとって愛着の持てる良いデザインのため新たな活用に適したものがある。また学校など市民にとって懐かしい施設もある。

 

4] 他用途との多目的利用

 

 

 

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