1 注目を浴びているPFI
PFIは、政府の経済対策の中に登場して以来注目をあびるようになり、さらに自民党が打ち出した一連の景気対策の中にPFIの活用が盛り込まれ本年5月に議員提案された「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法案」が国会へ提出されたことで、さらに拍車がかかった。
この背景には、高齢化・少子化社会に移行する中で、景気の低迷は長期化している。財政の支出が増え、収入が減り公共事業費が捻出できない。
また、急速な近代化、人口増加期はまもなく終わりを告げようどしている中で、投資力は次第に低下し、更新投資のウェイトが上昇し、これがかなりの水準となる可能性がある。
このような状況において、必要だからというだけで整備するという単純な対応は困難になり、資源のより効果的な利用を実現し、市民の理解と協力を得られるような施策展開が必要となってくる。
今、景気対策としてPFIが注目を集めているが、PFI導入は即効性のある景気対策になり得るのかについては、これからどのような形で導入されるのかが、大きな鍵を握るものと予想される。
プロジェクトの実施までには、決定、役割分担、詳細な検討など長い期間を要するからである。英国においても実際のプロジェクト契約の成立まで長期間を要した。PFIを実現するためには、数多くの課題を克服しなければならないが、やり方次第では、PFIが公共事業を効率化し、日本の社会構造を変える可能性を持つ非常に魅力的な手法であると思われる。
2 千葉市における民活
公共事業実施における民間活力の導入については、昭和57年の臨時行政調査会「行政改革に関する第3次答申」などの結果、昭和60年以降「民活法」、「産構法」、「リゾート法」や「民都法」など多くの民活諸法が制定され、都市開発などの多くが第三セクター方式により実施されてきた。
本市では、民間資金や技術的ノウハウの活用を以前より積極的に図ってきた経緯がある。
昭和49年、民間と区分所有による中央コミュニティセンター、昭和50年、(財)郵政互助会との青少年自然の家、また、蘇我コミュニティセンター、さらに、平成3年本市で初めて採用した事業コンペによる千葉ポートアリーナ(体育館)の整備が実施されてきた。