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(プログラムの解説)

 

市町村レベル

日常的・地域ぐるみの保存活動を活発化させることが重要であることから、市町村では、ソフト・ハードの両面から次のような取組を実施する。

1]は、役場OB等を活用した収集・記録・保存への継続的な取組である。2]は、住民参加(コミュニティや民間団体)で、お神楽の衣装・お祭り用具・楽器等の更新、後継者の育成等を行う際に住民等に対して市町村が助成するというものである。3]は、保存・継承活動の発表の場として発表大会やシンポジウムを開くというものである。さらに、こうしたソフト施策とあわせて、4]歴史的遺産を活用した地域おこしのためのハード事業を実施する。

このプログラムでどのような文化財を対象と考えるかであるが、国宝や重要文化財はある程度既存制度でカバーされているので、このプログラムでは、それ以外の埋もれているような地域レベルの文化財を主たるターゲットにするという意味で、保存対象として無形文化財を中心に考えている。

自治省では、平成11年度1]〜3]にあるソフト面における市町村の日常的な活動に対応できる経費を新たに普通交付税に算入することとしており、標準的な団体で3百万円程度、全国ベースで56億円程度の交付税措置を講じる。ただし、交付税は使い道を国が拘束できないものであり、交付税措置とは、あくまで交付税の積算基礎にこうした経費を入れていることを地方公共団体に周知徹底して地方公共団体にインセンティブを付与するという性格のものである。

また、詳しくは国レベルの所で述べるが、地域文化財をビデオに保存する事業に対し、公益法人から補助をすることを予定しており、1億円程度の補助金を確保している。

ハード事業については、歴史的遺産を住民が親しみ、あるいは地域活性化に利用するため、大規模改造や公園化、あるいは集客施設の整備等を行う場合に、地方債と交付税を組み合わせた地域総合整備事業債で支援することを考えており、その事業費枠を500億程度全国ベースで確保している。

 

都道府県レベル

都道府県レベルでも広域的な観点から日常的保存活動を行うとともに、保存・継承事業に拡がりをもたせるための施策を実施する。

1]は、有識者や県民代表からなる地域文化財の保存委員会をつくるというもので、地域文化保存のための行動計画の策定や優良保存活動の顕彰等を実施する。

 

 

 

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