1. 事前評価と事後評価は、プロジェクト、プログラム、政策を総合的に管理する上でかくことのできない段階である。この別添は、こうした評価過程に対し効果的に管理する手続きを設定、点検、展開する役割の管理職の一助とするためのものである。事前評価と事後評価には当然、何が必要かという問題に対する幅広い考察から、結果の見直し並びに教訓を得て将来の意思決定に役立てる方法の見直しに至る一連の管理手続きが必要である。一部の官庁では、こうした手続きをROAMEまたはごく最近のROAMEFという略語で表わしている。ROAMEF1の各頭文字については、本別添の添付資料で検討する。
一般原則
2. 事前評価と事後評価の実施責任を明確化する必要がある。事前評価と事後評価をさせるのは誰の仕事か、またいつ要求すべきか?事前評価と事後評価を実施するのは誰の仕事か2?その手続きを適用したかどうか、正しく適用したかどうかを検査するのは誰の仕事か?こうした点を明確化しなければならない。
3. 事前評価と事後評価を効果的に実施する条件としては、次のものがある。
・金銭的効率性を重視する一般認識の普及
・上級管理職による明確な支援
・責任範囲の明確な定義
・最新で明確な手続き及び技術指針
・適正な事前評価と事後評価を促す効果的な奨励策
・実績を批判的に評価し、過去の教訓を適用する意欲
4. 当局に委任する場合は、事前評価と事後評価を効果的に実施できる確実な手続きが特に重要になる。
5. 事前評価と事後評価に携わる者としては、手続きと技術に関する最新の指針を備える必要がある。たいていの場合は、金融部門やエコノミストから省庁の指針を入手する必要があるが、そうした指針は、付則を除き、英国大蔵省やその他中央政府の指針とも整合したものでなければならない。各省庁が独自の指針を作成する際には、英国大蔵省に相談するのがよい。
6. 事前評価と事後評価には多種多様な技能が必要になる。標準的な事前評価における作業の大半は、相応の訓練を受ければ、専門家以外でも実施できるものである。しかし、科学や工学的価値を評価したり、資産評価のように技術的数値を提示したりする場合は、しばしば政府内外から技術専門家を集める必要がある。
1 ROAMEFとは、Rationale(基本的動機)、Objectives(目標)、Appraisal(事前評価)、Monitoring(監視)、Evaluation(事後評価)、Feedback(フィードバック)の略語である。
2 比較的独立した機関が実施した場合は、通常、評価の効果が非常に高い。