日本財団 図書館


明和町は、伊勢湾にも臨んでいます。

渚の長さは、約7kmが弓なりに見事な曲線を描いています。波光がきらめき、海苔や、アサリなどが採れます。御多聞に洩れず、水産業は、後継者難に苦しんでいます。また近年、上流地域の開発に伴い、海の汚れも、拡がりつつあります。

私達は、環境美化と、自然保全に、最大の努力をしなければなりません。

「祓川を美しくする会」や、漁業士の人々の輪や、流域住民が参加して、川と海を美しくする運動を展開しています。

文字通り、ボランティア活動に汗を流して頂いていますが、行政もまた、地域の人々と連繋を深めながら、行動をしなければなりません。川や海を甦らすことを、今、怠っていると、大変深刻な状況を、未来へもたらすことになると思います。

 

012-1.jpg

植樹祭◇多くの小学生が自主的に参加◇

 

産業廃棄物や、一般廃棄物が増大する社会状勢下にあって、いまリサイクルや減量化への努力が必要不可欠であると思います。

知らず知らずのうちに、自然破壊の一翼を誰しもが担って来たのではないかと、自省すべき時期であると思います。

行政だけが、町役場の担当だけが、いくら大声で叫んでいても、たかが知れていると考えられます。町民一人ひとりが、現状を認識して一体となって取り組む以外に、自然保全も、困難であると思います。

明和町の高齢化率は、18パーセントぐらいでありますが、これからは上昇機運にあると考えられます。

福祉は、現今の自治体にとって、重要課題と云わざるを得ません。人間、誰しも老ゆることをまぬがれません。それだけに、心豊かに老ゆることを、強く望んでいます。

福祉の拠点として、「明和の里」を平成9年4月、開設しました。高齢者や、心身に障害を持った人々の心のやすらぎの場として、好評であり、現在、土曜、祭日も開所していますが、早急に、年中無休にしたいと考えています。と同時に、在宅要介護の人々への手厚い対応が、火急の問題と捉えています。

介護保険も、いよいよ開始されます。介護サービスの充実が必要であるが、先ず第一にこの業務に携わる人々の、優しさと、いたわりのナイーブな心の持ち方が、つよく望まれます。

私は、「みどりとそよ風のまちづくり」を提唱して来ました。

「一年中、まちを花でいっぱいにしよう」と、運動を展開しています。春は菜の花、秋はコスモスと、季節を花で彩り、理想郷づくりをしています。

伊勢湾ぞいの防風林も、台風と松くい虫の被害により赤茶けて来ました。

白砂青松の再現の植樹に、数多くの小学生が自主的に参加し、200本の黒松と、200本の桜を、残雪の冷たい風の中で植えられましたが、次代を担う子供たちを、心強く、頼母しく思いました。

 

012-2.jpg

福祉の拠点「明和の里」◇在宅看護支援センターを併設◇

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION