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また、ハーブ栽培は遊休荒廃地や転作田を活用することができ、かつ、作業が比較的容易で労働時間が少なくて済むので、高齢者・女性労働力をこれに振り向け、農業所得の向上といきがい対策、社会活動への参加を図り、また若い農業者の育成確保のため、水稲十ハーブの新しい営農類型の確立により所得の向上を目指す「新たなる農業形態」として位置づけられます。

上記農業振興策の他にも商業・観光など他産業にも活力を与える等の好影響を期待し、池田町第3次総合計画の中で「花とハーブの里づくり事業」が提唱されました。

 

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ハーブ体験教室

 

現在に至るまでの経過

ハーブは世界中に数千種類もあると言われる一方、都市住民の生活の中にかなり定着しつつあるが、どのハーブが適し池田町で栽培できるのか、どんな栽培方法が合うのか等、当時としては未知数の作物栽培に頭を悩ましましたが、2カ所の試験圃場にて栽培した結果、ラベンダーやレモンばーむを中心とした品目の選定を行いました。利用方法については、様々な形態がありますが、まず自分たちが利用できるものを考えハーブティー・入浴剤・リース・アレンジメント・ポプリなどに注目し、30代〜50代の女性層を中心に講習会等を開催し、市場に出せる製品開発を進めるとともに、栽培品種も約100種類に増やし、町からの委託栽培に対応すべく生産組合の設立.を手掛けました。

また、本格的な生産体制と流通機構の核となるべくハード面の開発に取り掛かり、振興公社の設立及びハーブセンター等を建設し環境整備を行うとともに、民間2社(カミツレ研究所・夢農場)の参画により、全町への普及を図りました。

 

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池田町ハーブセンター

 

具体的な事業推進経過

具体的な事業の推進は、次のような経過を辿っています。

まず、昭和63年度の町の総合計画で、まちおこしとして「花とハーブの里づくり」を提唱しました。それ以降、ハーブ試験圃場の設置、ハーブ里づくり研究委員会・花の里づくり推進委員会の発足、ハーブ拠点施設として育苗施設・乾燥施設の建設等の体制整備が行われました。

その結果、平成3年度に、苗生産・乾燥加工製品の開発が行われ、平成4年度には、農家との契約販売によるハーブ販売が始まりました。

当初50aからスタートした町内のハーブ栽培面積も、平成9年度には1,376aに拡大し、平成7年度にオープンしたハーブセンターも、平成9年度には入場者が100万人を突破しました。

以上は、町的な取組み状況ですが、民間でのカミツレ研究所(ハーブ製品製造)、夢農場(ラベンダー園)とハーブセンターを3拠点として一体になり、文字通り「花とハーブの里」づくりのため全町への普及を図り、農業・商業・観光が結び付いた産業の振興を期して推進しているところであります。

 

 

 

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