21世紀へのステップ
「住みよいまちは、町民の手で」
飯田宏史(山口県阿知須町長)
阿知須町(あじすちょう)は、山口県の瀬戸内側のほぼ中央に位置し、町の形は東西に長く長方形を少しゆがませたようになっており、北部は県庁所在地の山口市に、南・西部は工業都市の宇部市に接し、東部は周防灘に面しています。面積は25.49km2、人口は8,667人(10年11月末現在)で、交通アクセスは、JR宇部線や国道190号線、山口宇部有料道路が南北に走り、周辺都市と結ばれています。
町の第2次基本構想には将来都市像として、『ゆとりの中で活力と創造性を育む交流のまち 阿知須』を掲げ、町民すべてに活力があって心豊かな暮らしを営むことができるようなまちを目指しています。これまで、町では、暮らしの広場としての広域商業核機能をも備えた特定商業集積整備事業を進めてまいりました。
町の中央部には、平成3年に、町と商店街事業協同組合による第3セクター『財団法人阿知須まちづくり財団』が建設した『健康文化センター』があります。この施設は建設段階から地域住民の理解と参加を得るために証券を発行し、建設資金の一部を町民から募る方法を採用しました。その隣接地には、町と商業者4社が出資した『阿知須まちづくり株式会社』による大型ショッピングセンター『サンパークあじす』もあります。平成8年3月のオープンにより、購買客の流出をくい止め、逆に、町外からの導入を誘い、平成9年の町内の小売年間商品販売額は平成6年の約2.7倍の147億円に伸びました。また、人口の増加率は平成8年から増加に転じ、平成9年は3.18%となり、県下56市町村のうち、県内2位の伸びを記録し、町の活性化をもたらしています。
町の西部の丘陵地帯では、民間によるゴルフ場の増設、それと農業生産と農業体験学習を組み合わせた農業公園の整備開発が進められています。これが、雇用機会の増加、地域のイメージアップにもつながるものと、期待をよせています。
町の臨海部には、総面積2.86km2の阿知須干拓地があり、南側では、県の『スポーツ交流ゾーン整備構想』に基づき屋内・屋外の施設を、北側で県立の『自然観察公園』を整備中です。さらに、2001年(平成13年7月14日から9月30日)には、スポーツ交流ゾーンの一部を活用し、山口県が『いのち燦めく未来へ』をテーマに『21世紀未来博覧会』を開催します。
現在は、『博覧会』を契機とするまちづくりを目指しており、"町民の声を聞き、町政に反映させるとともに、町民がまちづくりに参加できる体制づくりと町民の生活に根ざしたきめ細かい行政サービスの提供をしたい"そういう思いを一層深めています。