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動物が自然に暮らすのが1として、その10倍で1人分。その上、この会場のように本来なら太陽はここにありませんから、真っ暗なはずなんですが煌々とあかりをつけ、文化的で人工的なものを作り上げながら暮らすと、これが日本人の場合25人分なんだそうです。動物が1で暮らしているとしたら、日本人はその250倍ということです。動物が1匹動いて暮らす250倍を日本人一人が生きるのに使っているのです。これはまさに自然を食べ、エネルギーを作って、環境を食べて生きているということなんです。」

と語りますが、同時に人間のこのようなライフスタイルを急激に変えるのは現実的に無理だとも述べ、そういう中で、主婦であり、母親である自分が環境のために取り組んでいることを日常茶飯のなかから紹介します、そして最後に

「私が忘れられないのは『haste is waste』という英語の諺です。最初の『haste』は急ぐってことなんです。次の『waste』は浪費するというゴロあわせで、『急いで何かやろうということは浪費してしまうこと』ということなのです。この『haste is waste』を時に思い出して、ゆっくり、じっくり考えて、なるべく時間を大切に使いながら動いてみたらどうでしょう。また、エネルギーを『waste(浪費)』して『haste(急ぐ)』するのではなく、自分が足で歩いてみるのはどうでしょう。ちょっと苦労でもさっきのお米の磨ぎ汁ではありませんが、自分がちょっと努力することで、浪費しない社会というのを作っていったらどうでしょう。こんなことを提案させていただいて、私の話を終わらせていただきます。」と参加者への提案を行い講演を締めくくりました。

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○森の詩コンサート

休憩のあと、1970年代にフォークグループ「六文銭」のリーダーとして活躍され、現在もコンサート活動を通じて自然保護を呼びかけておられる小室等さんのコンサートを楽しんでいただきました。

参加者の中には、このコンサートがお目当てだという人もあり、小室さんと会場が一つになったコンサートとなりました。演奏と演奏の間には小室さん独特のユーモアを交えた淡々とした語りがあり、基調講演とはまたひと味違った意味で、環境問題について考えさせられるものがあったように感じました。

 

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小室等コンサート

 

○パネル・エコ商品展示

県内企業の環境担当者の集まりである「宮崎県環境管理研究会」は、発足以来20数年経過しており全国でもユニークな存在ですが、今回のシンポジウムでは、後援をしていただくとともに、会場のホールにおいて企業の環境に対する取り組み状況のパネルやリサイクル・エコ商品等を展示し、参加者に環境問題・省資源・省エネヘの認識を新たにしてもらいました。

○おわりに

最後になりましたが、自治省、宮崎県、財団法人自治総合センターの皆様をはじめ、このシンポジウムの開催にご協力いただいた方々に厚くお礼申し上げますとともに、今後も全国の各地でこの「ふるさと環境シンポジウム」が催され、一人でも多くの方が環境について考える機会が持てることをお祈りしまして、ご報告といたします。

 

 

 

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