邑智町のコミュニティ活動について
原田康男(島根県邑智町総務課企画推進室企画係長)
邑智町の概要
邑智町は島根県のほぼ中央部に位置し、総面積は185.89km2で県下では9番目に広く、面積のうち山林が91.2%を占めています。町の中央部を中国太郎の異名をとる中国一の大河江の川が大きく蛇行しており、その頂点のところに町の中心部の市街地がわずかに開けています。
当町は昭和30年2月に沢谷村、浜原村、粕渕町、吾郷村、君谷村が合併し、人口1万3千人余の邑智町として町制を施行しました。
町の北東部に大山隠岐国立公園三瓶山が、西北部には江戸時代隆盛を誇った石見銀山があります。町内には国立公園の一部で古くからの湯抱温泉がある他、県立江の川自然公園として浜原ダム周辺が指定されており、美しい景観を見せています。
町の基幹産業は農業ですが平均耕作面積は40aと少なく、農家のほとんどが自給農家又は2種兼業農家であり、米、和牛、椎茸、メロン、ピーマン、インゲンなどを中心に複合経営をしています。林業も輸入材の需要に押されて国産材の価格低迷から造林意欲が低下してきているなかで、付加価値の高いキハダの植林、間伐材を使った幅はぎ集成材加工工場建設など新しい動きも出てきています。商工業においても縫製、製靴、電子部品、木材チップ、三瓶そば製造等の地場産業や土木建設業の振興に努めています。また、消費者の多様なニーズに対応するショッピング空間づくりを目指して商業集積の動きも出てきています。
主な観光資源としては閑静な湯治場として長い歴史の湯抱温泉、近年建設されたオートキャンプやカヌー体験ができるカヌー博物館など江の川のアウトドアのメッカとしてのカヌーの里、温水プールや大型遊具を備えた未来型複合健康増進施設のゴールデンユートピア、万葉の歌人柿本人麿の終焉の地「鴨山」の探究に情熱をそそいだ齋藤茂吉博士の偉業を顕彰し鴨山を広く伝えるための齋藤茂吉鴨山記念館、自然豊かな観光栗園など含めて年間15万人程度が訪れるようになってきています。
第3次邑智町総合計画
邑智町においても過疎化、少子高齢化が進み現在の人口は、合併時の実に63%減の約4800人、高齢化率は高齢化率全国一位の島根県内の中でも上位となる36.4%となっています。
町では平成元年に第3次長期総合計画を策定し、こうしたマイナスのイメージをプラスに変えて、これからの長寿社会を積極的にとらえて暮らしていこうと「フォーベターヒューマンライフ(より豊かな暮らしを求めて)」をキャッチフレーズに町づくりを進めてきました。