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「東京ポップスオーケストラの公演概況について」

日比野尚敬(春日市企画調整部文化課 音楽振興指導員)

 

はじめに

春日井市は、名古屋市に隣接し、交通条件も良いことからニュータウン建設や土地区画整理が進み、現在は人口約285,000人、小学校37校、中学校15校、私立1校、高等学校8校・私立1校、大学私立1校、短大私立1校を擁し、中部圏を代表する住宅都市となっています。

また、本市では、この地に生まれたとされる書聖・小野道風に因んで、書道文化の振興に力を入れています。なかでも市民をはじめ一般の人々が参加する「道風展」「野外大揮毫大会」「県下児童生徒席上揮毫大会」等のユニークな行事によって、「書のまち春日井」は全国に知られるようになりました。

特産品のサボテンの実生栽培は日本一を誇っています。目下、あいち学術研究開発ゾーン構想の取り組みや文化フォーラム整備事業などを推進しています。

音楽の面では、洋楽・邦楽を含めて35団体の音楽連盟を有しております。毎年、ミュージック・フェスティバルを開催して、市民の活気あふれる生活をめざして活動をしています。国内外の演奏家によるコンサートも市民会館、東部市民センターを中心に年間を通じて数多く開催しています。

演奏会について

はじめに、聴衆の声をお知らせします。「念願だったこのコンサートを聴くことができ、感激で一杯です。」「形式にとらわれず、とても自由な気持ちで楽しく充実した気持ちで最後までずっと引き付けられました。」「これほど中身の濃いコンサートは初めてです。音楽は本当に人を感動させるのですね。」「ウィーン・フィルハーモニー交響楽団以来の感動でした。」

多くの感激の声の中から、ほんの一部分をあげましたが、服部克久先生の軽妙なトークとともに進行して行く素晴らしい演奏会でした。ポップスのハーモニーの中にリコーダーのソロが燦然と輝くアレンジの素晴らしさやコンサートマスターである後藤勇一郎氏のヴァイオリン・ソロの超技巧を駆使した素晴らしい演奏と独特なアレンジには度肝を抜かれる思いでした。服部克久先生ご自身の編曲「すばる」では、作曲者谷村新司氏との深い友人関係や「すばる」が名曲としてヒットするまでのトークがとても魅力的でした。さらに、前奏(後奏)及び間奏の部分をご自慢のオーケストラでアレンジの意味を解説しながら演奏をされました。アレンジの素晴らしさについて感動と認識を新たにしました。

また、クラシックの名曲をメドレーでつづった「フックド・オン・クラシック」は、ポップス風のアレンジで演奏すると、日ごろ聴くクラシックとはこんなに違うものかなあと感嘆しました。2時間のコンサートが盛況のうちに幕を閉じ、会場を出て行く聴衆の顔は、先程までの興奮が冷め切れないといった表情でした。

 

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クリニックについて

演奏会の翌日、クリニックを受講したのは愛知県立春日井西高等学校の吹奏学部の生徒48人と市立東部中学校の生徒3人の計51人でした。服部克久先生をはじめ、一流のプロミュージシャンの指導を受ける機会は、もう一生かかってもないということで、西高等学校吹奏学部の顧問である浅井孝一教諭に協力していただきました。指導曲はオリバドーティー作曲、序曲「バラの謝肉祭」でした。クリニックの開会式では、まず、服部克久先生から「そばで指導してくれるプロの音がどんな音なのか体で感じ、体の中にたたき込んで帰ってほしい。」とアドバイスを受けました。

 

 

 

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