そうしますと平坦部の儲けになるところは民間がやるわ、山の儲けにならないところだけが町がやるわと。人が余ってきた、赤字で毎年補填していかないかんという問題が必ず出てくるということを予測していないといけないと思います。そういうことを考えますと、やはりこの機会に、私はこういった介護のサービスシステムについては、是非広域でやはり考えていくべきではなかろうかと思います。そうしませんと将来人を管理するにしても、人事異動も出来ないというような問題になりますと非常に不効率になって参ります。そういうことで、今美馬郡では各町村長さんが、これはひとつ広域で考えようじゃないかということで、今検討を進めている段階でございます。
また昭和30年代に市町村合併が進められて、だいたい40年が経過いたしております。その当時の合併と今の合併とは全く、先程も米田さんからもお話しがございましたが、私は全く条件が違うと思っております。それで現実論としましては、これは私の個人の意見でございますが、行政事務は二つに分類出来るのではなかろうかと思います。一つは住民生活の基本になる戸籍だとか、あるいは住民登録だとか徴税事務だとか、あるいは保健とか福祉、こういった住民の生活に密着した行政分野、そういうものが一つ。それともう一つは医療とか介護、こういう保険制度でやっていかなければいけないもの、あるいは水道だとか下水道事業とかいうのはこれは公益事業としてやってまいります。そういう収益性を伴う事業と二つに分かれると思います。
したがって、最初に取り上げた住民に密着したような基本的な行政サービス、これについては住民自治といった面を考えますと、やはり従来通りの市町村単位でやるのが良いのではなかろうかと思います。それと一点目に申し上げた、そういう行政サービスは従来通りの市町村でやりながら、いつまでもそれをやるというのではなくて、例えば住民登録だとかあるいは町税事務だとかいう問題も、ある程度法律とかそういうものを変えて参りまして将来は郵便局の郵便さんがずっとコミュニティーを回っていますから、そういう人達に徴税事務等を依頼するとか、各郵便局でパソコンで住民票等の発行を出来るようにするとかいうふうにして、行政もスリム化していく。それが民活で業務をスリム化していくというひとつの方法でなかろうかと思います。
また一方、二点目に申し上げました公益事業として捉えていかなければならないような事業ですが、これにつきましては、やはり一つの収益団体という考え方で公社を作りまして、広域でそれを取り扱っていくというふうなやり方。従来のような一部事務組合というのではなくて、そこにはちゃんと経営責任者が居て、その人が責任をもって経営をしていく。それに必要な金は各市町村が出していくんだというようなやり方で対応していくべきではないかと思っております。