それだけ非常に難しい問題であります。住民とのギャップがかなりございますので。
地方分権もいろいろな意見があるわけですが、私は現実論として考えますと、今すぐに分権が出来るかと言ったらこれは不可能だろうと思います。だから、とりあえず現在国の持っている権限、これを都道府県に大半移管しまして、それからまた5年、10年かけて市町村へ段々と降ろしていく。そして市町村が、ある程度自立出来るような状態になれば、今度は県が47も必要なくなりますので、この都道府県をどういうふうに縮小していくかという方向が現実論ではなかろうかなというふうに考えております。
それで私達は、今現実に地方行政を進めておりますが、推進体制というものを反省して見て参りますと、一つは高度経済成長期から今日にかけて、いろいろその時代時代の要請に応じて、その行政課題を解決するんだということで、一部事務組合というのがどんどん出来て参りました。現在脇町でも私どもの町が関係する一部事務組合、あるいは第3セクターというものが9つもあります。消防だとかごみ処理だとか、その案件ごとに組合があるわけですね。ところが実際は、私も管理職をやっておりますけれども、関係する町村長さんが管理職をやっている。そうなりますと、現実にはもう運営していくことに頭を使うのが精一杯でございまして、この組織をいかに合理化して、そして今後経営していくかというところまで入っていけないというのが現実だろうと思います。また、そっちの方を一生懸命力を入れてやっていると自分の町の仕事がお留守になってしまいます。だから今の状況から言いますと、もうそろそろ一部事務組合も、もう一度じっくりと考え直して、そして再編成する時期にきているのではなかろうかということを実感いたしております。
また、前段でも申し上げましたが介護保険制度、これについてもいろいろ私は問題があるのではなかろうかなと思います。要は地域地域のボランティアを軸にした地域コミュニティー活動、それをどう確立していくかということですけれども、今後ある町村では、役場で直営でやろうという所もございます。あるいは社会福祉協議会に委託してやろうと考えられている所もあるわけです。そういうことで、何れにしましてもずっとやっていきますと、将来民間企業もこれにどんどん参画して参ります。私どもの脇町で単純に計算しますと、将来介護の対象になる人が500人出てくるだろう。そうするとヘルパーさんが何人要るんだとなりましたら、専門のヘルパーさんが41名要る。今は17名ですから24名増やさないといけない。人件費はなんぼ要るんやと計算させたら約1億円要りますと。そうしたら、それを抱えてずっとやっていったら3年4年経って民間がどんどん参入してきた、あるいは場合によったら医療機関が訪問看護だとか訪問介護だという方向にも手を出してくると思いますね。