特に住民参加という問題は住民自治ということに非常に関わりのある問題だと思いますが、今までいろいろ御議論いただいておりますように、住民参加ということにはいくつかのやり方があると思います。その一つは、政策決定のプロセスに具体的に住民の方々に参加をして関わってもらうというようなことであります。例えば総合計画を策定するとか、あるいは高齢者の福祉計画の策定や町づくりのマスタープランの策定ということに住民の皆さんに実際に参加していただいて、その意見を計画の中に具体的に反映してそれを実行していく。その過程をいかにして担保していくかということが非常に大事な問題だと思います。
徳島県での試みについていくつか御紹介いたしますと、新しい県の総合計画は「いのち輝く世界の郷とくしま」をめざした総合計画でありますが、この計画の策定の段階におきましては、徳島県を5つの地域に分けまして、その地域毎に役職を持っておられない本当の一個人としての住民の皆さん方に御参加を頂いて、いろいろと御意見、御提言を頂きました。そして、その御提言をまとめるというような格好で地域別の計画が出来上がっております。これはまだまだ不十分でありますけれども、そういう試みを初めて行った計画であるということに私は大きな意味があると思っているわけです。また徳島市が最近、新しい公園を作る時にワークショップ手法ということで、地域の住民が望む個性的な公園のあり方というようなことについて住民の意見を充分聞いて公園を作ったというようなことも聞いております。今後こういった手法というものを大いに活用していかなければいけないと思っております。
二つめは地域で必要とされるいろんなサービスを地域の住民の皆さん方が現実に担っていくということであります。いままでは、なんでも行政に頼む、市町村に頼む、あるいは県でやって下さい、国でやって下さいと言う。そういう事柄もありますけれども、まず自分達でそのサービスを担ってみようということが私は大事だと思います。皆さんも御承知の通り、阪神・淡路大震災の時に多くのボランティアの皆さん方や民間組織の方々が支援活動に当たったということを契機として、行政・企業以外に市民の自発的な活動が社会の重要なセクターとして認知をされてきたわけでございます。この9月の県議会においても、民間非営利活動の団体に関する条例案を御審議頂こうということで御提案をしようと思っておりますけれども、そういったことは一つの大きな社会の流れとして私は非常に重要な動きではないかなというように思います。
徳島県は、これは手前みそになりますけれどもボランティア活動は大変盛んなところだと私は思っております。