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同時に、役場職員もこれからはもう地方分権時代、こういう住民ニーズをどう自分達が立案していくかということを非常に考えるようになりまして、ある意味では、職員と住民との共同学習による人づくりに、少しは貢献できたのではなかろうかというふうに考えております。

童門先生の書かれました「上杉鷹山の経営学」という本、私も読ませていただいたわけですが、この中に「改革は厳しいけれど前途に希望を持ち、楽しみを持たせることが大切である」というふうに教えられております。私は町の長期計画こそ町民の希望でなければならないというふうに考えております。したがいまして、この計画書の冒頭の挨拶の中で「希望は人を成功に導く信仰である。希望がなければ何事も成就するものではない。」というヘレンケラー女史の言葉を引用させて頂いて、町民に呼びかけをいたしております。平成9年度から10年度にかけましては、町づくり100人委員会を再編成いたしまして、今度は町おこしの具体的な施策をどう進めたら良いのかということについて検討をして頂いております。

こうした活動の中から、時々テレビなんかに出てまいります、うだつの町並みの観光ボランティアガイド、こういった組織が誕生してまいりました。地元に住んで居られる校長先生とか、あるいは商店主の方々とか、そういった方々が自主的に自分達のうだつの町並みを紹介しようということで活動して頂いております。また、高速道路が出来、今年の4月5日には明石海峡大橋が開通したわけですけれども、100人委員会の議論のなかから、大阪からお客さんに来てもらっても脇町I.C.の玄関口があの状態では恥ずかしいではないか、川原はいっぱい木が生えて、農機具やら自転車やらそんなものが沢山捨ててあったわけです。これを何とかしろ、という議論も出てまいりました。あれは県が管理しているから県に文句を言っていこうというような話が出たわけですけれども、私はその時に申し上げたのは、すぐに町がやれ県がやれと言う前に皆さんが出来ることが何かないですかと。一度皆さんで掃除したらどうですかと。そういうことで、私も一緒に役場の職員も参加して、掃除をいたしました。その時にトラック5杯分ぐらいのいろんな古自転車から何からいろいろなゴミが出てまいりました。

その次にこういう物を捨てさせないようにするには、どうしたら良いだろうかという議論が出ました。それだったら、花を植えてきれいにしたら、安易にゴミを捨てないだろうというようなことで、その後花いっぱい運動というので、現在300名の会員の組織になっております。今後とも是非こういう運動を各行政分野にも高めてまいりたいというふうに考えております。

 

 

 

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