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つまり自分が生きがいをどう発見していくか、その為に学習をして自分を高めていこうという事であります。従って、生涯学習というのは、ゲートボールだけやってればいいよ、こういう事ではありません。やはり、自分の喜びというものをいかに発見しそれを高めていけるか。

六番目のパフォーマンスというのは、それを他に向かって表現をしていく、自己表現をしていく、自分の喜びを発表することによって他人の喜びになり、地域の喜びになる、それによって地域全体が豊かになり、生きがいと或いは死にがいのある世の中に変わっていく、こういう事であります。

こうなって参りますと、この織田信長が日本の周の武王になって実現しようとした事は、そのまま戦国時代のあらゆる大名の、民衆のニーズであると同時に、現代の問題でもあるんではなかろうか。つまり、ここに掲げました6つの事を本当に今実現している日本の自治体はどこにあるのだろうか、そういう事であります。従いまして、この岐阜に託した岐山の麓から生まれた周の武王の実現していた6つの課題というのは、今の全地球的な問題でもあろうと思います。従って、私は先程申し上げた、生きがいがあり死にがいがあり同時に他地域から人を呼んであげられるような魅力づくりの魅力というものの要件、基本的にはこの6つをまず満たしていく事ではないんだろうかと思います。

しかし、これだけでも実は駄目な訳であります。もう一つは、この願いというのは地方自治体だけでは実現できません。結局、今の地方分権の進み方で、仕事のすみわけというものが出て参ります。今の地方分権推進法や或いは森田先生が御参与なさっております、地方分権推進委会がまもなく最終答申を出しますけれども、流れとしては国・ナショナルこちらはなるべく絞った、最小限の仕事をしていこう、こういう事だろうと思います。従って最小限の言葉をカタカナで言わせていただければミニマム、ナショナルミニマムを実現していくことだろう。他方反対にローカルの方は今度は最大限、めいいっぱい住民生活にかかわりのある仕事は、身近な地域政府としての地方自治体が実現していこう。最大限はマキシマムであります。結局地方が最大限の仕事をし、政府は最小限の仕事をしていこう、こう変わってくるはずです。最小限の仕事というのは、例を挙げれば平和の問題、或いは金融政策の問題、環境保全の問題、五全総のような大規模な国土開発の問題、教育の根本に関するような問題、こういう事だろうと思います。その他の事は全部地域である地方自治体にまかせていこう。こういう事でございます。

 

 

 

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