特に私は、地方分権の推進で、この2番目の問題は大きなウエイトを占めると思います。特にそれは、若い人の働き場をどう用意していくかという事であります。結局、若者にとって就労の場がなければ、大都市へいっちゃうとかどっかいなくなっちゃう。そうするとその地域は高齢化社会になり、同時に過疎化社会になってしまう。これを食い止めるには、魅力のある収入の得られる働き場というのをどう作っていくか。従って、地方分権という事の努力目標の大きな柱の本は、若者にいかにその地域に残ってもらう為の働き場を用意するか、これが大きなやはり問題だろうと思います。
私は今、政府所管の自治大学校とか中小企業大学校とかこういう所でよく研修の講義に出かけます。自治大学校では、日本中からそれぞれの都道府県・市町村の幹部クラスが集まります。ここで私はあくたれをつくことがあります。あくたれというのは何だというと、「皆さんの地域で一番立派な建物が役場であり、一番いい勤め先が役所である。こういう所は発展性がありませんよ。つまり、複数の企業がなければ駄目なんだ。一般の若者達が喜んで働けるような、そういう場がなければ駄目なんだ。しかし、これを作るには基盤整備が必要。企業がどんどん出てきてくれるようなインフラストラクションをやらなければいけない。それにはお金が沢山かかる。それじゃあそのお金をどうやって調達するか。これも地方分権の大きな課題ですよ。」こういうような憎まれ口をきくことがありますけれども、私自身は本心でそう思っております。やはり、若い人の働き場の用意の出来ない所は今後は或意味で脱落していってしまうだろう。合併とか何かという単純な問題ではなくて、やっぱり地域活性化の大きな柱というのは、若者にどういう就労の場を用意するかという、これだろうと思います。
三番目の平等にという事は、差別のない社会をつくろうという事であります。男と女の別、学校を出たか出ないか、やっている仕事の中身、或いは社会的地位、或いは心身に障害があるかないか、或いは別なファクターによって人の下に人をつくられた人をそのまま容認してはいないかどうか、こういうような不条理はすべて払拭すべきであります。本当のノーマライレーション、平等・公平という事が実現されている地域社会を建設していく、こういう事であります。
四番目の正しくというのは、社会正義の問題であります。つまり、正しいという事は、どんなに弱い立場の人が主張しても必ず強い人も守っていく、そして実行していく、こういう事であります。五番目の自己向上という事は、自分を高めるという事でありますが、今のいわゆる流行りの言葉を使いますと生涯学習という事であります。