そこで、財源の問題です。国と対等だと言うが、智頭町でもどこでも、住民と一緒になっていい考え、世界一のすばらしい考えを出しても、財源がなければできないのではないか。あるだけでやれと言われれば、やらなければいけないですが、やはり財源がないといけない。寺谷町長さんが言われたように、知事さんも市町村長さんも、今までみんな東京への陳情で、カネを取りに行っておられますが、ああいうことはもう要らなくなるのか。みんながいい知恵を出して考えてやろうと思うが、裏づけの財源はどうなるのか、その辺をお願いします。
河本 一番肝心なところでして、財源はやらんわ、仕事はしろではどうにもなりませんので、まず財源について、ひとつお願いします。
千田 何回もお話ししましたとおり、今までの分は機関委任事務で、それはカネはあまり関係ない。今度の分は、ちゃんと具体的な仕事で、それにはカネがついてきます。ただ、そうは言っても、県ごとに、特に税制改正で県が取れということになると、財源・税源のない県とある県とでは違いが出てきます。県間の調整はどんなときでも必要です。今は地方交付税で自治省がやっていますが、今度はどうなるかはまだ明確になっていません。
しかし、総務庁の中に自治省が入ってきますし、自治体間同士で全国市長会、全国知事会、全国町村会がもう少しメンバーをそろえて強力になって、県間、市間の財源調整は、交付税みたいに細かいわけのわからないのでなくて、面積割とか人口割、雪が降っているかどうか、そのような簡単な指数で、やはり調整で配分をすることは最後まで必要でして、それはしたい。そういうのをつけなければ絶対だめですから、それはします。
したがって、財源・税源のない、税金を取れない県はだめになるということは絶対ないので、今よりは落とさないし、お金のあるところだけ一生懸命するということにならないようにはちゃんとする、それが地方分権で、みんなで頑張らなければいけないということです。
河本 税財源の確保については我々も応援しますので、一生懸命やっていただきますようにお願いします。
質問 私、八頭郡の船岡町から来ましたが、道上先生にお聞きします。
先ほどからいろいろお話を聞きましたが、私たちも今、地方分権の勉強を一生懸命しています。八頭郡は智頭谷の53号線と若桜谷の29号線の間にあって、今度482号線がついて用瀬に抜けるようなり、一応用瀬と船岡とは垣根が取れたわけですが、智頭と若桜とが両極にあって、そこがまだつながっていないのです。今、八頭郡には点在した8つの集落があります。その点が今度線で結ばれて、それが面になって地方分権というものは成り立つと思うのです。
そこで、私たちは今のところ、やはり道に非常に大きな関心を持っています。智頭から若桜に抜ける道、また八東から智頭に抜ける道、そういうアクセス道路がつけば、今の点がかなり線で結ばれ、また面になって皆さんの交流が激しくなると思いますし、今、智頭町長が言われたように、我々もどこでも飛び込んでいけるような形がとりやすいと思いますが、やはり道がつかないことには、山を境にして両極に離れていたところがなかなかくっつきにくいと思うのです。
町と町をつなぐ道のことが今日の読売新聞に載っていましたが、先ほど斉藤先生が言われた福祉の面で考えても、例えば船岡町には病院がありません。しかし、智頭町と鳥取市を結ぶ大きな道がつけば、うちに病院がなくても智頭町や鳥取市の病院が利用できるわけです。田舎から病院に行くまでの道がないために病院を建てなければならない。しかし、道があることによって病院が1つ要らなくなるのではないかと私は感じますので、できれば集落と集落を結ぶ道路を考えていただきたい。今日の新聞を見てなるほどいい考えだなと思いましたが。そういうことの陳情は悪いことはないと思います。今日は副知事さんもおられますので、陳情のほうを一生懸命やっていただきたいと思います。
道上 道路の問題を含めて開発行為に関して、都市部、特に東京や大阪といった大都会のほうは、もうそんなに開発しなくてもいいのではないかという意見の人が多い。