確かに高齢者というのは病気になられたら介護する人が困るわけですから、なるべく健康を維持していただくように町としても十分考えなければいけないですが、小さい子どもに「遊んでいる」と言われる、その言葉が私はちょっと気になり、皆さんにお集まりいただいて、「皆さんは高齢者と言うがまだまだ若い。まだまだ余力がある。ゲートボールやグラウンドゴルフも健康のためにはいいでしょうから、週に1回くらいは楽しみながら、うちのおじいちゃんは町のために働いているのだと皆さんのお孫さんから尊敬されるように、その余力をぜひ智頭町にお貸しください。」と、こういう視点で実はシルバー人材センターを設立しました。
今、極端に言えば、日本は少子化とか高齢者という言葉があまりにも氾濫し過ぎているのではないか。まだまだ働けるのに、年齢的には高齢者になってしまう。私は、高齢者だから親切にというのはどうかなと思います。昔、「親父を長生きさせようと思ったら親不幸しろ」という言葉がありましたが、親切ばかりでなくて、むしろシルバー人材センター的なもので自分たちはやっているのだという喜びを感じてもらうことと、もう1つは、高齢者の方にスポットを当てたいと思っています。本町にも腕に自信のある、例えば匠というか、巨匠というか、達人がたくさんいます。ワラ細工や竹細工で本当にすばらしい芸術品をつくる方が大勢いるわけです。おじいさんなどに聞いてみると、「暇だからな」と言われますが、つくったものをどうするのかといえば、だれかにやってしまう。それは惜しいですね。
私が今提唱しているのは、例えばおらの町の匠でもいい、おらの町の達人でもいい、おらのまちの巨匠でもいい、このおばあさんはこういう技術がありますよ、このおじいさんは昔話が得意ですよと、そういうのにスポットを当てて、脚光を浴びて喜んでもらったらどうだろうということです。あのおじいさんが町報に出るなら、わしも出ようかというように、行政と一緒になって、もう少し余裕というか、楽しみながらすべきじゃないか。もちろん親切にしなければいけませんが、私は少し角度を変えて考えたいと思います。
河本 ありがとうございました。続きまして、道上先生には、ゴミなど身近な環境問題について、今後の市町村の取り組みについて、こうあるべきだ、こうありたいといったようなお考えがありましたらお願いしたいと思います。
道上 地方でテレビなどでも問題になっているのは、やはり1つはゴミの問題です。それ以外にもありますが、ゴミの問題はあちこちで問題になっています。これを地方が解決できないようであれば、地方分権も絵に描いたもちに帰するのではないかと思います。
具体的に申しますと、今一番困っているのは、鳥取の東部圏域で考えると、燃えないゴミはリファーレンいなばで比較的うまくいっていますが、燃えるゴミが今後困ってくるであろうと思われます。なぜなら、先ほどもお話がありましたように、ゴミを燃やしたらダイオキシンが出るので、国は小さな焼却炉は認めない。すなわち、1日100トンよりも処理能力が小さい施設はつくらないような方向で、今議論が進みつつあります。そうすれば、鳥取市は1日に270トンくらい処理できる清掃工場がありますが、それ以外の東部圏域で考えると、町村単位では恐らく単独でゴミ処理施設を持てなくなるのではないかというおそれがあります。したがって、ゴミの中の約7〜8割を占める燃えるゴミ、その中の台所から出てくる生ゴミをもう少し処理する方法を考えたらどうでしょうか。
鳥取県は公園都市を標傍しながら、にぎわいのあるまち、きれいなまちにしようと考えています。その1つとしてゴミの問題を取り上げる。しかも、先進県としてやろうではないか。というのは、燃えるゴミのうち生ゴミを処理すると、およそ半分くらいゴミの量が落ちてきます。団地のすぐ近くに生ゴミをコンポスト化して堆肥化するような施設を備えつける。その堆肥を農家に運び、有機農業に結びつける。