河本 コーディネーター役を務めさせていただきます河本でございます。
皆さんご存知のように、地方分権推進計画がこの5月に閣議決定をされました。また、先ほど千田先生のお話をお聞きしますと、本当に地方分権も実行の段階に入ってきたという具合に肌身に感じますと同時に、我々としましても、さらに奮起する必要があると感じたところです。今後は、地方の我々が、いかにこの地方分権の実現に向けて取り組んでいくかということが重要となります。早急にその準備を進めなければならない段階になっているのだなということをひしひしと感じています。
幾ら制度が変わりましても、地方がそれに対応できないようでは、せっかく地方が主役となれるこの機会を逃してしまいかねない。また、分権型社会も訪れないではないかとさえ感じます。また、大切なことは、地方が変わることにより国をも変えていくというような意気込みを持って取り組んでこそ、本当の意味の地方自治が実現できるのではないかと思います。これからは、まさに地方の時代です。自分たちの住んでいるまちをどのように魅力あるすばらしいものにしていくかということを、それぞれの地域の特徴・個性を活かしながら自分たちでまず考えて、何よりも実行していく時代であろうと考えています。
今日は、「分権型社会の福祉・環境・まちづくり」といったテーマで、5人の皆さんにいろいろご意見をいただきます。皆さん、それぞれの立場でいろいろなお考えをお持ちだろうと思いますが、来るべき分権型社会の姿を描きながら、我々は何をすればよいのか、私たちのまちをどのように変えていくのか、会場の皆様と一緒になって考えていきたいと思います。
まず、各パネリストの皆様に自己紹介を兼ねてそれぞれの立場から、地方分権について日ごろお感じになっておられること、あるいは先ほどの千田先生の基調講演への感想などをお伺いし、その後で少しテーマを絞って、パネルディスカッションのテーマにもある「福祉・環境」、そして、「まちづくり」ということで議論を進めていきたいと考えていますので、よろしくお願いします。そして、最後には、会場の皆様からもパネリストの方への質問あるいは意見を伺いたいと考えていますので、ご協力よろしくお願いします。
それでは、最初に、都市計画関係でいろいろと意見の発表をしておられます高橋さんから、市町村の独自性のあるまちづくりの重要性といった観点からお話をいただきたいと思います。
高橋 高橋です。よろしくお願いします。最初に千田先生のお話についての感想をちょっと申し上げておきたいと思います。先生は、「捨てよう!3つの根性」、いわゆる家来根性を捨てよう。「作ろう!3つの新能力」、いわゆる条例の制定能力を持てということをおっしゃいました。