日本財団 図書館


まず、さきほどの映画では人間という神に近い存在として木を植え、森を作った主人公が出てきましたけれども、私たちがそもそも環境問題というのを抱えてしまったというのはどういうことか。基本的なところを考えますと、動物として自然の中で、あるものの中で暮らしていたら多分こういう問題は抱えなかったと思うんです。

人間があるときサルと分かれて、人間になった。その、人間になったのはどういう時かというと、2足歩行をして道具を手にした時にサルと分かれたといいます。これは私の考えなんですが、人間がエネルギーを使うようになった時から他の動物とは違ってきたと考えます。やがて人間は社会を作りはじめ、そのエネルギーを使うことを覚え、使い始めたことがこの発展を呼んで、現在のような危機をもたらしたのだろうと思っているんです。

人間が他の動物とどれだけ違うのかというので調べてみたのですが、例えば、一番近いといわれるチンパンジー。相当知能が発達していて、私たちにはわからないけれど、チンパンジー同士かなり複雑なことをコミュニケーションしているらしいです。それから、人間が何かを教育すると、それを習得する能力があり、訓練に耐えて、それを実行できる能力があるといわれています。チンパンジーは森にいれば、自然を破壊してまでも暮らそうとはしません。自分が生きられる程度に森を食べながら、森も生きられ、自分たちも生きられるように暮らすわけです。そんなチンパンジーと人間が、どのくらい差があるとみなさんは考えられますか?差を数字で表わすのは、これはDNAで考えないとちょっと想像つかないのですが、1.7%なんだそうです。

チンパンジーと人間は400万年前に分かれたといいます。人間は2足歩行し、道具を用い、そのことで火というエネルギーを考え出して使うようになりました。しかしDNAの数値から見ると1.7%しか違わない。この差はどのくらいかということを伺いましたら、ブタとイノシシ、馬とシマウマ、この差なんだそうです。たった1.7%の違いで、人間はある意味で素晴しい発展を遂げてきたのです。スペースシャトルがまた宇宙に飛び立ちましたが、向井さんなども2度目の宇宙飛行です。グレン飛行士もいろんな英知、知恵と様々な近代的な要素も加わった中で、77歳という高齢でも宇宙に飛んでいくことができるんです。それがきっかけとしては1.7%の差でしかないのです。この1.7%という数字が表わすものは、別種ではないということなんだそうです。種類は同じ、ただ、グループが違うという差なんだそうです。

 

012-1.gif

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION