緑が少ないというのはやっぱり、環境問題にとって大きなマイナスになるので、緑があって、さっきも言いましたように、二酸化炭素を吸収してくれて酸素を排出してくれるということですからね。緑は是非とも必要なんです。この緑の少ないということが大阪人のマナーの悪さにどこかでつながってないかなと。緑が少ないということはイコール、町が殺風景なイメージになりかねない。
だから、汚い町やったらごみ捨ててもええやないか、という気持ちの緩みみたいなものを、どっかで生んでしまうんじゃないかなと、心配なんです。わたしも緑についていろいろ関心を持って、前々から悪口を言ったりしておりましたのでね。緑を何とか増やそうということで、おととしに我々ごく親しいものばかりのグループで、『森の会』というものを作りましてね。森の会というのは、森林の会ということで。初めは10人足らずの人数で始めたんですが、私が一番歳がいっているということで、会長ということになりまして。何もできない会長なんですが、事務局ががんばってくれてまして、けっこう頻繁に活動しているんですよ。
どういうテーマでやっているかといいますと、大阪の緑が少ないということで、人間、生きている間に一本だけでいいからどんな木でもいいから、木を植えよう、という運動なんですがね。それだけがテーマなんです。政治的にも何にもない。宗教的にも関わりなくて、会の運営のためだけに、わずかに会費みたいなものを集めているみたいですけど。まったく主義・主張がなくて一生に一本だけは木を植えましょうよというのが大テーマになっておりまして、みんなでがんばっているんですが。去年ですか、私はノック知事に親しくして頂いていることもあって、知事室におじゃまして、1時間ばかり森の会のお話させてもらって、知事もそれはいいことですねって、なにか言葉をもらった記憶があります。今100人くらいでがんばっているんですけれど、我々が具体的にやっていることは、全国からどんぐりの種を拾ってもらって集めているんですよ。それを河内長野とかあちこちの休耕田で苗を育てましてね、これが秋頃には芽が出ると思うんです。皆さんに自由にもらっていただいて、しかるべきところに植えてもらおうと。一万本の苗木を育てようと、我々一生懸命やっているんです。これがまた多少なりとも環境問題に、本当に微々たる微々たるもんですけど、私もえらそうに緑が少ない緑が少ない言いながら、何にもしていないんでは、困りますので、そういうことをやっております。
『木を植えた男』
毎年中之島で5月に祭りがあります、一週間ほど。去年から森の会が参加しておりまして、私は残念ながら行けなかったんですが。皆さんががんばって、中之島の公会堂の一室を借りて協力をお願いしようというので、アニメ映画を上映しました。この映画、いいですねえ。私は何度見ても感動するんです。『木を植えた男』という、30分ほどのアニメ映画なんですが、これはほんとにすばらしい。小学生、中学生にこの映画を見せたら、絶対に皆感動するという映画ですね。私は数年前に初めて見た時に本当に涙が出るくらいに感動したんです。作り話だということなんですが、第一次世界大戦の頃、荒れた土地にもくもくと羊飼いの老人がどんぐりの種を植えているんです。犬と二人暮らしなんですが。そこへ旅人が道に迷って訪ねていく。一晩泊めてもらうけど、老人はものを言わない。何をしているかも言わない。