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その時にびっくりしましたのが、東京の中野区というところが空き缶をポイ捨てする場合の年代に応じたアンケートをとったんです。あなたは空き缶を道路に捨てる時に、あなたの良心、気持ちがとがめますか?とがめませんか?というアンケートなんです。一番悪かったのが中学2年生の男子。中学2年生の男子というのが、49%、ほぼ半分が道路にポイ捨てしても何にも思いませんという答なんです。これは2人に1人ですよ。中学2年の男子を最悪として、前後するごとに、だんだんその率は下がっていきまして、道路に空き缶を捨てるのは気がとがめます。おそらくこれ、大阪で統計とっても同じような結果になるんじゃないかなと思うんです。
つまり今中学2年生ぐらいの男の子たち、その2人に1人は道路に捨てても何とも思ってないという、彼らが後10年たって成人した場合、今のままだったら町中空き缶だらけになってしまう。集めて回収して、リサイクルセンターに持って行けばいいんでしょうけど、そうせずに道路に捨てたまんまになってごみにしてしまうとなれば、それをまた焼却するためのお金がかかる。つまり環境破壊をますます増大させる危険がありましてね。ここのところでしっかり、ふんどまって、引き止めなければ後10年たったらえらいことになるなあと。町の中空き缶に限らず、ほかの物でもガムとか、紙くずとか物食べたからとか、平気で捨てるんですね。たまたま空き缶というのは、象徴的な物であって、他に何でも平気で捨てる。それが2人に1人が平気だというのが、恐ろしい統計だと思ってみたんです。
今度は大阪の統計で奥様方に統計をしたのがあるんです。あなたは今まで道路の清掃などのボランティア活動に参加したことがありますか?というのでね。道路のごみを拾ってもらったり、清掃作業ですね。そういうのに参加されましたか?という問いに3人に1人、30%くらいの方が、過去にあります、と、おっしゃるんですね。3人に1人は、ボランティア活動に参加して、道路をきれいにしましょうと、とにかくそんな活動をしたことがあると。その方たちに、それではそのボランティア活動で道路をきれいにされた後、あなたはそれ以後、2度と再び道路にゴミを捨てたことがありませんか?という問いかけに対して、半分くらいの方があるっておっしゃるんです。今日は私は拾う人、明日は捨てる人と使い分けてはるみたいなんです。自分がボランティア活動で一生懸命道路をきれいにして、もう2度と道路に物を捨てんとこうと、思って下さるのかなと思いきや、そうでなくて、しんどい思いをした次の日に、2人に1人の人が、ゴミを捨ててはる。これはしんどいことやな、考えてもらわないかんな、と思いますね。

 

緑を増やそう

大阪でマナーの悪さに引っかけて、もうひとつ気になっていることを申しますと、大阪の町には緑が少ないということでしょう。大都市の中では大阪が、だんトツでという言い方はいけませんけど、少ないんですよね。東京は町の中の4分の1から、ある統計によると3分の1くらい緑があるんですよ。その次京都とか札幌とか地方都市というのはものすごく多いんですね。40%くらい緑があるという。大阪よりちょっとましなのが名古屋。全体の5分の1くらいでしょうか。全体の20%ないと思うんですが。大阪はおそらく10%くらいじゃないでしょうか、町全体の。緑比率とかいうんですけどね。緑の量が非常に少なくて、全国の大都市の中では一番に緑が少ない。

 

 

 

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