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いいこと言いますとね。大阪で一番いいなあと思ったことは、さっき言いました、自由闊達な気風というのが1番いいんです。これはもろ刃の剣で自由闊達さがマナーを悪くすることもあるということで。これがまあ1番といったら1番なんですが。2番目にいいことと言いますと、食文化の発達でしょうかね。食べ物がうまいなあということでね。これはどなたも納得いくことだと思うんですが。あるテレビで、7・8年間、食べ歩きの旅番組させていただきましてね。全国各地のおいしい物食べさせてもらったんですが、名物にうまいもんなしとよく言ったなと思うんです。本当にうまい物はなかったですね。大阪以外でひょっとしてうまいもんがあると思うのは神戸でしょうか。神戸はやっぱり国際色豊かというか、世界各国のおいしい料理がありますんでね。京料理は見た目はきれいだけど、量が少ないんですよ。皿ばっかりで、きゅーと集めたらにぎりめしひとつになるかな。大阪ではある程度量もあって、当然質もうまくなければならない。それで又、安いということ。もうひとつは早いということがいるんですよ。大阪人はうまくてもね、遅かったらこんなん誰でも作るわい、って言いよるんですわ。
うまくて早くなかったらね、大阪人は満足してくれない。私も東京にちょくちょく行きますが、東京行って、めしやというかレストランみたいなとこでね、待ってると4、5人の話し声がするんですよ。大阪の人って、声でわかりますね。大阪の人、どこでも平気で大阪弁話しはりますからね。もし知った人がおったらいややなと思って顔伏せてますと、向こうでなんやかんや言いながら、注文します。注文して、2分か3分でしょうかね、5分は待たないでしょう。誰かが、遅いなあ、忘れてへんか?言いだすんです。次はいらいらしだして、貧乏揺すりまでしだして、おい、どないなってんねん!大丈夫か?と、必ず言うのは大阪の人でね。東京の人はマナーがいいというか、意気地なしというか、行儀がいいというか、じっと待ってますね。何にも言わずにじーっと。ほっといたら一日でも座っているんじゃないかと思いますね。黙って行儀良く待っているんですね。僕らやっぱり、せっかちなんでしょうかね。せかせかして、歩くスピードは大阪が一番早いと言われるんですけど、その辺もちょっとありまして、このせっかちさというのも、マナーの悪さにつながっているのかなという気がしないでもないんですけど。

 

ごみのポイ捨て

マナーでもうひとつ、ちょっと気になったというのは、大阪市が3年ぐらい前になりますか、ノーポイフォーラムっていうのをやったんです。ポイ捨てやめましょうっていう運動でしてね。2年間やりましてね。消費者団体や業者の団体の方、自動販売機の方とかですね、日本たばこの方とか、ポイ捨てに関わりがありそうな業界の方たちや専門家の方たちに集まっていただいて、私は自由な立場なので、座長を仰せつかりました。要するに大阪の町からポイ捨てを無くそう、ごみを無くそうという、運動だったんですが、今もそれは続いておりまして、道路を歩くとご覧になると思いますが3人一組で青いようなユニフォームを着て、シルバー人材センターから毎日何十名かの人が、お手伝いして下さっているんです。桃太郎さんのような登りを立てて、手押し車のようなものを引っ張りながら、道路のごみを集めておられる。

 

 

 

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