それで考えたのが、タワーの方の改造ではなくサスの方です。上につけてあるのがその「親綱」なんですが、これを付けようじゃないかと。で乗っている人がこれに安全ベルトをかけて移動しようということです。ちょっとやってみましょう。こういう設備をしてもらえませんかと全国のホールにお願いしようと思っています。
(実 技)
(ヘルメット)
高所で作業をするときはヘルメットをかぶりなさいと決められています。これはここのホールのものですがこの手のものがよく使われています。ただシュートの作業はとても暑いんですよね。で汗が出るもんですから何かいいものはないかなと探したんですが、これはアルピニスト、山岳用のヘルメットです。非常に軽くつばがないので違和感があまりないということでうちの会社では全員にかぶさせています。ただ、これは労検定品じゃないんですね。もし事故が起きたら違反は違反なんです。
(安全帯)
それから安全帯ですがこれは日本の製品ですが、これを付けていてどんと落っこちたら内臓破裂とかおそらく起きると思うんですよ。そこで外国ではハーネストというのを使っています。大きなイベント会場とかで作業するときはこれが一番安全だなと思います。
日本の場合2メートル以上は高所ということでヘルメットを必ず付けることになっていますが、汗をかいたりすることから本当は付けたくない。外国の人は「このハーネストを付けていればヘルメットはいらない。帽子はかぶるけど」といいます。実験では1トン400位までの加重に耐えられることになっています。
しかし、このハーネストは外人用なので付けるのがなかなか大変です。ちょっと付けてもらいましょう。
(実 技)
(ライトブリッジの墜落防止用親綱の設置)
シュート作業中にライトブリッジから落下する事故がありました。うちの社員だったんですけど。そこで香川県民ホールでライトブリッジの上部に中割レールを付けてもらってコロで動かしていくものを作ってもらいました。これを使うと、ハーネストでなくて日本の安全帯でも大丈夫だろうということでした。
そこまでしなくとも、ブリッジに親綱を張ってこれに安全帯を付けて作業をすれば安全だろうということでホールにはお願いしていこうと思っています。
(脚 立)
脚立で一番事故が多いのは、この台の上に立って作業していて落ちるケースです。脚立で立っちゃいかんとなっています。座りなさいとなっている。そこで研究をして手摺りを横の方に付けました。これで事故がなくなったわけじゃないですけど確実に減りました。
(高所の猿梯子)
これがけっこう事故がありました。今はこれにセルフロックあるいは縦の親綱を付けてもらう。安全配慮としては一番にいい案かなと思います。これから劇場を作る場合はもうこういう縦のハシゴは止めましょう。階段式にしてくださいということを提案していこうと思っています。
(天井内の歩行)
シーリングなど天井の中ですから板を敷いておけばよいという感覚があるのではと思いますが、安全配慮としては障害物がなく手摺りが付いた通路がある、そして通路に照明があることが法規でうたわれています。
(高所のフロント作業)
ここの劇場もそうですが、フロントでのシュート作業でスポットが高いところまであって脚立を使わなければならないことがよくあります。私たちが照明をやるときはこのフロントのシュートが舞台が終わってからというのが多いんです。