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そういう人を交えて発注するとかなりいいものができる。ただ、なかなか皆さん忙しいので出ていただけないけど、それを何とか無理を言って出ていただくと仕上がりが違ってきます。そうすると食い違いが起きない。

今年2階屋を作ってその2階でかなり暴れる芝居で、柱だけの家を造ったんですが、それは鉄骨屋さんがものすごく頑張って、この家だったら2階でもどうやって倒れないで揺れないか、壁がなかったので弱いですから、で1日でその2階屋を作らなければならないものですから、骨だけの家でしたので、中に鉄を入れるんですね。そういう鉄骨屋さんが入ってきてやる。

本当の霧を出すというのもあります。スモークは多いですけど霧です。どういう状態で舞台に出すかという、霧屋さんですね。そんないろんな業者の方が入ってきています。そういうことで舞台美術自体が変わってきています。日本の伝統的な舞台美術というのもすばらしいものがありまして、あの書き割りというのはすごいなあと思います。金井大道具などで作っている歌舞伎の道具などすごいなあと思います。それとは別にいろんな表現方法があってもいいんじゃないかなと思ってやっているわけですけど。

時間的な流れはこういうふうになっています。これが縮まった場合は、時間がどういうふうに取れるのか、稽古が短いものだと1月ちょっとになってしまう。そうすると舞台美術と関わって来た場合になかなか難しいものがあります。稽古場で道具を建て込んで稽古をする、そういうふうに持っていくと役者の方もそれを使いこなしていくことが出来る。これはある例なんですが、単純に穴がいっぱい空いているセットとかあるわけですよね。そこからぽんぽん出てくるというように道具を元に芝居を変えてくるんですね。道具を建て込んだところでやってもらえるとかなり違うと思います。そうすると1月半の稽古で最低1月くらいは台組というかあって稽古していけば道具の使い方もだいぶ違います。劇場に入ってから数日で本番という場合はやる人が慣れないんですよ。そういうことが、稽古場で台組を組んでやった場合に、本当にセットを仕込む場合もあって、その場合だとこっちの方もある程度直せます。そうすると演劇もレベルアップするなあというのも実感しています。

 

スライドによる実例紹介(省略)

 

 

 

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