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照明のデザインをするときに、細切れでマルチパートキューが動くような方式での仕込みというのは日本ではあまりしなかった。しかし、使ううちに、だんだん慣れてきてこのマルチに合うような仕込みをする方が増えてきていると聞きます。サブマスターフェーダーにつきましては、インヒビットという機能…チャンネルのマスターと言う機能を持たせた物もある。さらに最近HTPというもの、またLPTというのはスクローラーを動かす機能ですがその機能は持ち合わせていません。

バックアップシステムは完全にCPUが二重系になっておりデュアルランニングで動いてます。二重系は非常に難しく、表が故障したときに裏へ持っていく。裏へ持っていったときには動機が取れていて動いてくれる。それが理想でそこまで動いてくれれば有り難いが、そこまで持っていくには非常に技術が必要はわけです。一番単純なのは故障したらすぐ裏側のものを起動かけて一分か二分待って走らせる。それでは、本当の二重系になっているかというとなっていない。ちなみに、デュアルランニングというのは完全に並列で動いていると言う物をさします。

周辺機器としましては、FD・CD―R・MO、新国立劇場の場合はMOを使っているが、128MBというFDでは考えられない物です。普通、FDは1.44MBなので、その何百倍という大容量です。一枚で非常に安い価格で出回っている。今後は、CD―RやDVDが考えられます。プリンターについてはレーザープリンターが主流で音も静かで早い。

ワイヤレス装置は今は微弱で行ってます。場合によっては特定省電力で許可を得て行っている。そのどちらかです。海外品ではDMXをワイヤレスで飛ばしているのがあるが、ワイヤレスというのは信号が途切れるのは当たり前のようなところがあって<どうしてもトラブルと背中合わせである。したがって、仕込みの状況でワイヤレス使用にとどまるのではないかと言う風に考えております。

今後どういうものがでてくるのかということになるが、標準卓というのが普及されるのではないかと考えます。これはいろんな理由が考えられますが、ホール間の互換性を考えたり、コストの問題で海外品に比べれば高い高いと言われている。これは注文を受けたホール毎に特注で作っていくそして、人件費が一番高い、日本の場合、人が何十人も動くとそれだけでかなりの費用がかさんでくる。ですからこのホールには特別この機能を入れたいとなると、それは看板にはなりますが必ずコストが上がってしまう。そういうジレンマにはまってしまう。

したがって、日本に一台という風になってしまう。例えば、海外品だと拡張ソフトというのがインターネットで送られて、調光卓へ直に送られてバージョンが変わるものも出ている。やはり、日本のようだとそれは実現不可能だ。それから、ハードウェアに関しては汎用のPCを使う物が増えている。形は机上に乗るような物ではないがかなり出回っているので値段的にも安くなるのではないか。アメリカではDMXよりイーサネットを使う物が出てきてDMXは250kというのにたいしてイーサネットは100メガという非常に速いスピードを持っている。こういうものも割と使いやすくなってくる。それから、今後はムーブフェードの方向へ動いてくる。クロスフェードとムープフェードを比較した場合ムーブフェードヘ動くだろう。

ただし、3段プリセットフェーダとの組み合わせの要求が全国のホールの意見としては多く、そういうかたちは避けられない現状である。また、ノンフェーダー卓の普及は現状ではわからない。どういう卓が使いやすくて、使いにくいか、そしてキーボードアレルギーの世代も多く、なかなかキーボードに向かい合えない。その辺りの問題も少し絡んでくる。

これから、文字認識、音声認識、この辺はまだオペレートに使うまでは行っていない。CGとかヴァーチャルリアリティーは、将来かなり有望で実現性があるのではないかと思われる。それが調光卓であるかどうかは解らない。決して可能性は、「ゼロ」では無いだろう。人工知能を持った卓も可能性はあり、有名な照明家が打ち込んだデザインをヴァーチャルリアリテイーで画面に映してそれを素人が変えていく。そんな離れ業も可能。

信号のデジタル電送としてはDMX512、L3010これは「JATET」の規格です。そして、イーサネットが今後出回る物と思われる。DMX512も限界がありますので、その限界を払拭するということでイーサネットかと思われる。それから、他の機器との接続ということでMIDIとかSMPTEこれは新国立劇場でもリンクできるようにしてある。

 

 

 

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