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入力方法については対話型が多い。対話型にも色々な物がある。それから、これは時間軸で制御することが基本になってくるのでフェードタイムのUP・DOWNの時間デイレイの時間、そしてウェイトタイムの時間を入れていってGOスイッチでどんどん進んでいく。ただし、日替わりでくる場合、ここまではできないということから手動のクロスフェーダー、またはムーブフェーダーを、日替わりのホールではこれがメインではないかと思われます。シーンの記憶と修正の方法がスムーズに行われなければ使いづらい。

レベル修正においてはキーボードで行うかエンコーダーで行うかもしくは3段プリセットフェーダで行うかですが、ところがレベル位置を取る場合フェーダーでレベル位置を取るというその作業をみましても、例えば50%のレベルをフェーダー0の位置からレベルをあげても実際は50%よりは少し上がっている。50%より行き過ぎると灯り自体に変化のあることが目視判明する。それは嫌われることが多く、かと言って方向性を考えての修正機能を持たせることができるけれども、それをスピーデイーに行うということになればまた、手数が増えてくるということになる。その為に各フェーダーに一段分修正用のエンコーダーを設けてみればどうかというそういう操作卓もあるが、これはやはり大きくなってくる。そういうマイナス面が出てくる。当然価格も上がってくる。現実、4段目や1段増やして修正用のエンコーダーを設ける卓もあるがやはりコスト面で問題になってきます。

ムーブフェードの調光卓で特徴なのはキューオンリートラックがあるが、冒頭で変化するものだけ変化させる変わらない物については変えないという話をしましたが、つまり5チャンネル目のレベルが50%で10シーンまで続いているとすると、1シーンで50%と決めれば10シーンまではそのレベルが継続する機能ですが、そこで10%上げたい時にトラッキングという機能を使うとワンタッチで全シーン10%変化する。これを知らないで操作すると1シーンだけ修正したのにいつの間にか10シーンレベルが直っていて大混乱に陥ったということもありうる。

日本のムーブフェードは海外のムーブフェードとは違う。良いところだけを併せ持った物と考えても良い。

メモリー操作卓の一般的な機能と分類。

プリセット段数としては、一段、三段がある。場合によっては六段、十段ぐらい持ってるものもある。シーン数も増えている、そして記憶、修正の方法も非常に早く使いやすくなっている。1000シーン持っていて、かつ3段プリセットフェーダも併せ持っている。調光室は狭く、舞台に向かって真っ直ぐ向くことが困難である場合は、できれば、メモリー卓を舞台方向に向けて欲しい。これからの新しいホールに関してはそういう方向で持っていって欲しい。

タイムフェードに関しては、0.1秒から999.9秒もしくは999.9分という表示になる。チェイスについては0.01秒単位が多い。

DMXというのは、アメリカの規格ですが全世界で使われております。これはデジタル信号で512チャンネルを持ち非常に速度の速い伝達能力をもつものです。また、AMXはそのアナログ版と考えてください。今は殆ど見受けられません。

外部記憶保存システムとしてはFDが中心。あと、ICカードこれは保険のクレジットカードみたいなもので、これからどんどん使用されていくようですので、容量も上がって、値段も下がってきてスピードもFDよりも速い。これからは、ICカードが使用される可能性がある。ただし、もっともっと大容量になってくると最近ではMO・CD―RW・DVDもデータ保存なんかで使われるのではないか。

(スライド写真を見ながら)

これは、新国立劇場の調光卓ですがチャンネルが2048チャンネルある。海外卓などはもっとあるものを見かけますが、国内で2048と言えばトップクラスと言える。パートは20ありエンコーダーは10本あり、あとで写真で見ていただきますが、10本を切り替えて、20本としている。マルチキュー再生という方式採用。何シーンもシーンを重ねてゴーゴーゴーとできる。例えば20分くらいかけてホリゾントが動いているなかで何シーンも幾つかのキューを走らせる、そういう物を実現しております。以前の調光卓の場合は一度ゴーかけた後にもう一度ゴーをかけるとそのレベルに向かって走ってしまうのが殆どですが、ここのはマルチというシステムを使用しています。

 

 

 

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