そしてそれに対して利用料金制度というのは要は収支をひとつの財布でみようということですからバランスをとろうということです。横須賀の例でいきますとそこは事業費の補助金はゼロなんですよね。つまり自分たちで稼ぐというのが基本ベースです。つまり入場料収入ですが入場料収入だけではカバーしきれませんからそこは地下に駐車場がありそこの駐車料金を事業費に使ってもいいという制度を敷いているわけです。
年間の事業報告書をみますとホールを貸したお金よりも、駐車場の使用料金の方が多い、駐車場だけで2億円ぐらい稼いでいるんですよね。貸館の方はそんなに稼げないということで駐車場がすごく効果を持っているんですがもちろん駐車場の運営費が1億ちかくかかっていますから収益からしたら2億はないですがそのお金を使って事業をやっていこうというわけです。そして事業のやり方も従来であれば経営的な責任をすべて館の側が負うというのが普通だったのがどんどん共催になってきているんですよね。マスコミや地元企業と組んだりということでマイナスがでるのをどうやったら防げるかというところをベースに事業を組み立てています。そうしてくるとどうしてもウケねらいで演歌系とかロック系とかが並んでしまうという欠点も一方ではあるんですがある程度、館のスタッフの人もどうすれば収益があげられるかということに対する意識が必要だと思います。
そして本来お金を売り上げることよりも大切なのは、一人でも多くのお客さんに集まってもらうこと、そのホールが存在しているということが全市民にとって価値のあること、ということはひとりでも多くのお客さんに来てもらうことだと思いますし、また同時に情報をうまく流していくこととか二次的なものをつくりだしていくこと、いわゆるアウトリーチと呼んでいるんですけど、ホールでやった活動が外へ出ていくということそういう広がりを考えていく必要があるのではないかとおもっています。
そしてこれは、僕の方からみなさんにしてほしいと思うことなんですが、ホールスタッフの役割今日のタイトルも果たすべき役割と書いてますが、このタイトルのミソは前半の新しい文化運動というところにひとつあって要は「観客を主体とした、また市民本位の新しい文化運動を起こす場として公共ホールはあるべきである」ということが第一にありまして、その次にはホールスタッフつまりみなさんが「その運動に対してどのような役割を果たして欲しいのか」ということなんですよね。ですから言葉を悪く言うと、これまででいえば建物は貸してやろうと、使いたい人に貸してやるんだというところから、使っていただくというような民間的な発想に、まずそこから切り替えていく必要があると思います。
そういったわけで従来の行政的な頭ではない、もっと民間的なサービス業としてホールを運営していってほしいというのがひとつです。なにをやってほしいかというと、まず文化運動のリーダーになっていただきたい、まあみなさんそうではないとおもいますが、役所から来られた方ですと、先程、あて職という言い方がありましたが、三年間はその職にいなければならないと、それまでは文化行政をやっていたわけではないから、たまたま来てしまったと、当然、知識は薄い訳ですよね。そうすると話していても、私はちょっと文化のことは分かりませんからと言われる方がいるんですよね。それはないと思いませんか、やはり文化会館にいる人が一番文化に詳しくないとウソじゃないですか。そうであって欲しい、そういった方でないと文化運動のリーダーにはなれないですよね。
ですから大先生である必要はないんですよね、僕も運動部にいたのですが、成城学園は小学校から大学までありますから中学校のバスケ部には高校生が教えに来るんですよ。高校になると大学が教えに来て時々OBとかが試合をしにきたりするわけですよね。そうすると中学生を高校生が教えている、教えている高校生はレベルからいったら低いわけですけどその人は中学生を教えるには丁度いいんですよ、もしかしたら中学生でもたまにシュートが入ったりするわけですよ。そういったところで一歩上を目指す時の目標になってくるんですよ。
だから館の職員はそういった存在になってくれるのがありがたいんじゃないかと思っているんですよね。ですから監督やコーチといった存在よりはキャプテンや先輩といった、たよりになる兄貴分というような役割を果たしてもらうことが大切だと、というのはそれだけ身近なところにホールの職員がいるという意味だと思うんですけどそういったことを考えていただきたい。
それから二番目に話した文化活動のブレイン、これも何度もいいましたが、本当にみなさんは勉強したいと思っているんでしょうが、行政のしくみなりなんなりでなかなかそういったチャンスが