それから運営の話なんですけれど、これも専門とはずれちゃうんですけれども、博多座というのが今度、福岡に出来ますけどこれは運営は株式会社博多座です。建物は福岡市が作りますけども運営については民間興行会社、東宝、松竹、明治座、御園座、新宿コマ劇場この5社が出資をしています。人も出しています。松竹からはサンシャイン劇場の支配人だった方、東宝からは帝劇の支配人だった方、それから演劇のプロデューサーなんかもみんな人を出してますし、年間の運営のプログラムも例えばコマ劇場が制作した物や東宝ミュージカルですとか松竹歌舞伎、宝塚というものが一般のホールと同じように1ヶ月単位の興行と言う形ではいるわけですけれども、というような形の物が出てきています。まあこれは博多だから出来るということが有るかとは思いますが従来のように公共が作って公共で運営すると言うことではなくて、やはり運営はプロの力を借りようという顕著な例かと思います。
それとは逆に市民の力を使おうということもかなり増えているかと思います。有名なのは金沢の市民芸術村ですか、365日24時間営業ですよね。そのことを皆さんご存じですよね。金沢市市民芸術村が24時間365日営業だということを知っていた人。これもあんまりいないんですね。あのそうなんですよ。ただ、市から出向で来てる人は市の職員と一緒の待遇8:30から17:30ですか、みたいなところで動いていて夜は委託会社、警備保障会社に任してると、言うことなんですね。全体の運営をプロデューサと呼んでるんですかね。
それを民間のボランテイアなんですけれどもそれが責任を持って運営をするぞということで完全24時間営業をやっています。利用率は90%を超えるぐらい高いのだそうですけれども、ですから貸館の時間割も1日4つ区分なんですけれど第一区分は夜中の0時から朝の6時まで、第二区分は6時から昼の12時まで、12時から夜の6時、夜の6時から12時という四区分でやってます。この間のステージラボの時にも皆さん参加している人たちに自分が理想とする劇場を提案して下さいと言った時にかなりのグループの方は24時間営業をしますとか言うことをおっしゃっていました。ですからそれが1つのトレンドになりつつあります。
芸術家や文化人の参加ということで、館長とか芸術監督などに著名人をつれてくるホールもいくつもあるかと思いますが、館のスタッフはあまり喜んでないんですよね。賛成ではないんですよね。
要はそういう偉い人がきてしまうとまともに話も出来ないし、その人が勝手に好きなことをやってしまうと、そして下の人はそれに対してしたがっていかなければならないという思いが強いみたいで、僕がヒアリングしたなかではあまり喜んでなかった人の方が多かったです。僕らが今提案しているのは、みんなが考えた、みんなというのは市民ですが、市民が考えたことを挙げていってそれをまとめてくれる人が館長なり芸術監督というスタイルのほうがうけがいいと、そういうふうにやっている館もいくつかありますね。川津祐介さんのやっている今立町の館がそうですしいくつかのホールがそんなふうに…あと有名なのは岸和田方式でしょうか。市民運動がまずあって、その活動に対して行政側が支援していって色々な事業を実現していくといった流れでしょうか。まあやってみたいですよねプロデューサーみたいなことって、それをなんとか具体化していくそれが流れだと思います。それから市民参加でいけば従来の友の会ではなく、ホールサポーターみたいな組織があるということですね。
それから運営のなかでは利用料金制度、これは少し経営的な話ですが、公共ホールといえば入ってくるお金と出ていくお金は全く別の財布でしたよね。ですからやる事業に対して、全くといったらいいすぎかもしれませんがほとんどないという状況だったと思うんですよね。ですから事業のプログラムを作ってこんなのやりたいと作ってしまえばあとは関係なくて、チケットも売らなければ営業もしない傾向がある。民間のホールではありえないですよね。もう本当に頭下げてチケット買ってもらう、そのための最大限の努力をする。公共ホールではあまりそのようなことがなくてやりさえすればいいという傾向があるように思います。