日本財団 図書館


(I) 舞台機構取り扱い上の注意

1.操作盤又は網元の操作における、舞台機構の精通者(特に認められた者)は設備の仕様を把握し、操作の安全責任と緊急時の対応に即座に操作出来ること。

2.バトンを上下させる時、付近(前後の吊り物との接触も含む)の安全を確認してから行うこと。

バトン(吊り物等)が下がる時は声を掛けて知らせる。

3.吊り物バトンに吊り物を吊る場合は、常に鎮(ウエート)と吊り物の荷重のパランスに注意し、均等か鎮(ウエート)側をやや重めにすること。

4.鎮(ウエート)の取扱いについては、手袋をして両手で行い、充分注意すること。積み込む時は両方向から交互に積み込み構を確実にかみ合わせ、終了時は必ずストッパーで固定すること。

 

030-1.gif

 

5.大道具等の吊り込み作業を行う時、吊り込む前に予め適当量の鎮(ウエート)を積み込み、吊り込み後にバランス調整を行う。

又バトンにロープを掛けておき、これを利用して吊り込み作業の補助を行う方法もあります。この時は重量に応じた人員で行うことが大切です。

6.重量物を吊り込む場合、パトンやワイヤーの許可荷重量に充分注意し、許容値を超える物を吊り込まないこと。(許容重量を網元に各々表示しておくとよい。)

又吊り込む際、部分的な荷重はできるだけ避け、分散荷重になるような方法にて吊り込み、バトンに「たわみ」が生じないように注意する。

7.ちち紐(カスミ幕・沙幕等の上部の布テープ)は必ず花結び(蝶々結び)で結ぶこと。(片蝶でもよい)逆結びは、ほどけやすい。

 

030-2.gif

 

8.バトンにワイヤーを結ぶ時は正しい鉄管結びで、吊り物の最下部はヌキ板を打ち、ワイヤーをくぐやらせてから取り付ける。

全面、パネルのような、特に重い吊り物の時は両端はマニラテープにすることが望ましい。

 

030-3.gif

 

9.手動吊り物装置の網元操作で鎮(ウエート)と吊り物荷重がアンバランスの時は元綱同士をねじり合わせてその抵抗を利用しながら行う。

なお、この作業は重量に応じた人員で行うこと。

10.網元の操作中は「手応え」「異常音」に充分注意を払い、異常音を感じた時は操作を中止、ただちに確認を行い状況に応じて処置をすること。

再び操作する際は、幕類や他の吊り物に障害をあてぬように、バトン(吊り物)が完全に制止していることをたしかめてから行うこと。

11.電動を含め、急速逆転操作は行わないこと。

12.各々操作の終わったバトンのロープは網元のロープ止めハンドルで固定すること。

電動の時は、スイッチを必ず「OFF」にしておくこと。

13.予備の鎮(ウエート)を管理する場合は、通路部分に置いたり、必要以上に高く積み重ねないようにする。又舞台上部の作業ブリッジに置いてある場合は、鎖で固定したり、収納箱に入れるなど安全の処置をしておくこと。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION