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動的、左右同期性で振幅は200μVにも及ぶことがあるものであり、およそ2〜3ケ月から出現しはじめ、13才頃にはみられなくなるものであるが、今回の調査では入試時に2名(1.1%)に認められたが、卒業後には2名とも消失している。また2名ともに入試時にはPTWが認められ、1名は卒業後にはPTWの出現量が減少している。この点からも入眠期過同期とPTWが脳波の未熟性を現わし、その発達により消失する可能性があることが考えられる。

 

5. 基礎律動構成要素およびそれらのPTWとの関連

正常成人の覚醒、安静閉眼時の脳波は、10Hz前後で、振幅50μV前後のα波が連続して後頭部優位に出現し、このα波に振幅10〜20μVの速波が混在しているのが通常の基礎律動である20)

今回の縦断的比較では、全対象、A群、B群ともにα波の最低振幅の増加が認められた。徐波については加齢に伴い高周波数となり、20〜30μVの単調なものに変化(最低周波数の増加、最高周波数の減少)した。これらの変化は、α波は20歳前後でほぼ安定した時期を迎えるものの、徐波については19〜28歳の間であっても変化を認め、成熟過程の指標ともなりえることを示唆している。特にPTWを入試時認め、後に消失したb群での変化は大きい。

一方、b群とb'群またはa群との比較において、入試時b群、b'群ではa群よりα波は低周波数にあるものの卒業後にb群はPTWの消失とともに最低周波数が増加し、a群と有意差は認められなかった。一方卒業後にPTWが消失しなかったb'群においてはα波の最低周波数の増加は認められず、a群と比較すると有意に遅かった。つまり脳波の成熟過程ではPTWの消失とともにα波の最低周波数が増加し、徐波が単調なものへと変化(最低周波数の増加、振幅の減少)することが示唆された。またPTWが消失しなかったb'群においては病的意義というよりも個体性を示している可能性もあるが、徐波の最低周波数が卒業後に増加していることから、今後、成熟しPTWが消失することで同様の基礎律動の変化が認められうる可能性も否定できず今後の検討が望まれる。

これらのことから、PTWだけでなく、α波や徐波の周波数や振幅をパ

 

 

 

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