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少々湧き水のするような所で、泥土を浴びる行為である。またシカは発情期にオスどうしが「ドヤうち」という行動をする。これは角で地面を掻き揚げ、まるで人が開墾をしたような様相を呈するが自分の力を誇示するためであろう。しかしこれらの行為は猟師にとってまことに都合のよい痕跡となる。

また、これらをもとに赤仁田(あかにた)・高仁田(たかにた)・大戸屋(ううどや)・小戸屋(こどや)などの山間地名にも発展する。

さてこうした習性を理解しておき、早速「巻き狩り」の現場を見てみることにしよう。

狩りの基本は、カクラつまり狩り場の周辺に残された動物の足跡を入念に観察することから始まる。

 

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イメ持ち――目と耳はするどく山の方を向いている

 

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トギリ――猪の足跡を丹念に捜す

 

 

 

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