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坂入……蝋人形のようですね。木彫でありながらこれだけの技術はすごいです。

木下……日本の見世物が具体的にどんなものを見せてきたのか、そのひとつひとつを知る必要があります。江戸時代にオランダ商館長ブロンホフが日本から持ち帰ったといわれているミイラの調査も進んでいます。鬼あり、河童あり、人魚あり、何ととぐろを巻いたロクロ首のミイラまでがあります。これらはヨーロッパ人の好奇心を満たすための重要な輸出品だった。もちろん全部贋物です。

山口……いかがわしさは文化の精髄ということですね。

木下……見世物の細部と全体像の両方を復元すること、見世物研究はまだ緒についたところです。

 

註1]……消え去ろうとしている見世物小屋を手がかりに、見世物性、仮設性の世界を総合的に記録し、研究することを目的に、1999年春設立に向けて準備中。日本仮設興行組合の西村太吉氏(理事)からの協力をえることができ、産学協同の精神で運営される学会は期待できそうである。学会の構想は、かつて故郡司正勝氏と山口昌男氏との間で検討していたもので、今回それが実現されることになる。

 

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梵天祭りの高市[栃木県上河内村・渡辺良正撮影]

 

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龍馬歴史館の歴代高知県知事

 

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山口昌男(やまぐちまさお)

一九三一年北海道生まれ。東京大学卒。現在、札幌大学教授。

主な者書に『アフリカの神話的世界』『道化の民俗学』『文化と両義性』『文化の詩学』I・II

 

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木下直之(きのしたなおゆき)

一九五四年浜松生まれ。東京芸大卒。兵庫県立近代美術館学芸員を経て現在、東京大学総合研究博物館助教授、近代美術氏史。著書に『美術という見世物』

 

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坂入尚文(さかいりひさふみ)

一九四七年東京生まれ。東京芸大中退。友人と蝋人形館を興行。千葉県で農業を経験後、飴細工師として露天商を営む。

 

 

 

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