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なのでこの要素は保存活用のポイントとしては失いがたい。かといってそれだけに固執する必要は無く、工場の広さも考えあわせて、利用を考える時のポイントとして2〜3の利用目的をもたせても良いのではないだろうか。この時、工場の広さがこの熊取周辺のコミュニティーにあったスケールかどうかも検討しなくてはならない問題である。また、利用のポイントで得票数の多かった、レンガの魅力を押し出した活用は、せっかく赤レンガの大きな建物が残されているのだから、それは活用しない手は無い、という意見であった。そしてもうひとつ、前回、川をきれいにして利活用できないか、という意見が多数出たが、今回も水辺を整備しさえすれば、この環境資源を活かし、それに歴史資源も活かすことができれば素敵なまちができるのではないかという意見が多くあった。今までこのまちに存在しつづけた資源を有効利用するという点にポイントは絞られた。最後に利用活用のタイプに関してであるが、これは非常にグループ内で意見交換された課題であった。まず、熊取は新興住宅と昔から住んでいる「地の人」とが暮らしているという土地柄、皆が共存しなければならない状態である。これは難しいことではあるがお互いが共存するためには、世代を越えた交流が必要であると、まず考えられる。そのためにこの歴史的資源を利用したいという意見が多かった。つまり「外の人」が熊取へ集まってくるのも、大切なことではあるが、「地の人」にそっぽをむかれることはしたくないということである。この交流の場であるというこは、この地域の暮らしには大いに役立つことであり、うまく活用をしたいという。そしてそれが行政ができる、税金の還元方法であると住民の方は考えておられるようだ。ただ、歴史的なものを保存し、維持していくにはやはり、多少なりともお金が必要となる。そこでまちづくりの核として、工場を活用し、維持費や管理費などを出すことができるような経済活動(商売)をしてもいいのではないか、という意見がだされた。

 

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グループ討論

 

以上のように、この3班では熊取に実際住んでいらっしゃる方は少なかったものの、今の熊取の良さをよりよくするために、歴史的資源を有効利用し、地域内での交流、ひいては地域外との交流をしていきたい、という前向きな意見がほとんどであった。

 

 

 

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