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3] 利用を考えるときのポイント

このテーマでは、ひとつだけこの項目の質がほかと少し違ったということもあって、「煉瓦の魅力を押し出す施設づくりをする」という項目に票が集まった。その他の項目を選択した人も、煉瓦の魅力ということを考えるのは当然として、煉瓦の魅力を活かすにはどのように利用を考えていったらいいかということでカードを選んだということであった。

出た意見としては、「北向きのトップライトから入ってくる自然光がとてもいいので、それを活かしたもの(例えば美術館とか)にしたらいいのではないか」とか「ノコギリ屋根の特徴を活かしたものにしたい」など。また「コレという使用目的をひとつに決めてしまわずに、いろいろ利用できるものにした方がいいのではないか」という意見も出た。ほかに「近くの煙突も何とか取り入れられないだろうか」とか「横の川と道をまずきちんと整備しなければならないのでは」という意見もあった。

班全体の意見としては、とにかく中林工場=煉瓦とノコギリ屋根というイメージなので、それをうまく活かしていくことを考えて、そのためにはどのようなものにしたらいいかということを(例えば、美術館とか)もっと検討していく必要があるだろうということであった。とにかくみんな、煉瓦をなんとか魅力的に残したいという思いをもっているので、それに最適な活用方法を考えていくことが必要である。

 

4] まとめ

前回もそうであったが、今回のワークショップに参加した方々皆さん大変積極的で、自分たちで「旧中林綿布工場の保存活用」の問題を考えていきたいという意志を感じた。

他人まかせではなく、自分たちの施設として今後のまちづくりの核となるようなものができたらいいと思う。自分たちでその問題を考えていくことによって、施設が出来上がった後も地域の施設として充分活用されていくことができるのではないか。

皆さん時間があったら、まだまだいいたいことがたくさんあるようで、もっとこのような時間をたくさんもって、もっと多くの人が積極的に参加していくようになれば、さらによいものが出来上がるのではないではないか。

 

(4) 3班の討論

メンバー:田中種造・塩崎亨・代谷誠治・金本玉美・中西定義・玉野哲雄・桑原良治・塩野龍雄・三木・久保田洋一

アドバイザー:岡田実成

進行:池田聖子

保存活用の基本的な考え方に関する3つの質問に対して得た、それぞれの得票数を多い順に並べる。

【保存活用の目的・ねらい】

・熊取の歴史と文化の継承 6票

・繊維産業にこだわった活用 2票

・熊取を内外にアピール 2票

・観光地をめざす 1票

・新しい産業をおこす 0票

【活用利用のタイプ】

・世代を越えた交流の場 4票

・地域の暮らしに役立つもの 3票

・人が集まる場 2票

・住民によるまちづくりの核 2票

・商売を考える 2票

【利用を考える時のポイント】

・レンガの魅力をおしだす 4票

・周辺の歴史資源を活かす 2票

・水辺等を活かす 2票

・多目的に利用 2票

・中途半端でなく目玉施設を 2票

 

上記の結果をみると、「熊取の歴史と文化の継承を第一と考えてまちづくりを行う」、ということはこのグループの柱となる考えであり、全ての内容を含む包括的な考えであることがわかった。ただこの土地の文化と歴史でイメージに浮かぶのが「繊維産業」であるという事実は避けられない。

 

 

 

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