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◇石月 伝統的な文化維持への予算で、ソフト面へ使えないものか。岩手県はいかがですか。

◇千葉 今、教育委員会を中心に伝統文化の伝承、後継者育成に取り組んでいます。そのほか、文化振興財団というのがありまして、そこで地域の伝統文化に対する資金を補助し、育成を図っているところです。

<議長交替>

◇浅野 それでは6県知事または副知事に、今後の観光振興に対する各県での取り組みや考え方ついてご意見をいただきたいと思います。

◇木村 私のロマンですが、青い蓄薇を開発してみたい。それから東北を好きな色で彩りながら、ファッションと似合う地域として位置づけたい。今1つは日本に貢献する世界子供美術館を作ったら面白いと思います。

◇千葉 県境にこだわっていると、岩手県の場合観光が成り立たない。それで、最近県南部と宮城県の県北とで広域観光パンフを作り、両県で宣伝しているケースがあります。それから昨年サミットを行った北東北の3県で九州に合同事務所をつくりまして、物産から観光まで一手に引き受けた事務所を設置しました。情報発信についてですが、岩手県のスキー場を絶えず関西あるいは首都圏に向けて発信した結果、相当なお客が来ているわけですが、東北全体として発信しなければならないと感じています。国際観光では国内移動だけでも大変時間が食われるので、頻繁に外国の飛行機が来るようなダイヤを組んでいただきたいと考えています。

◇板東 伝統芸能の承継につきまして、秋田も学校教育の場で取り入れております。また、高齢者の方々の活用にも取り組んでいます。参加型では農業関係のグリーンツーリズムを行っています。それから広域観光を進める1つの条件ですが、東北地方のアクセスはまだまだ不十分と考えています。この7月にあきた北空港(大館能代空港)が開港しましたが、今後点から面へと広がることを考えていきます。

◇原田 いろいろお話を聞きますと地方分権が進むと、観光というのは広域的な行政に用馴染むのではないかと考えます。観光は経済状況を敏感に反映するようです。例えば、蔵王はここ数年若い人の需要が落ち込んでいる。その理由は携帯電話という説もありますが、やっぱり状況をキチッと把握する必要があると思います。

◇佐藤 自然も森もあるいは新緑も紅葉も素晴らしいものを持っております。これを壊さないように景観面で対策を講じています。常磐自動車道や東北自動車道を観光路線として整備しておりますが、昨年全線開通した磐越自動車道は、いわきから新潟までの間に美術館が12館ある。これを周遊していただくための美術館の協議会ができまして、今展開をしているところです。それからJヴィレッジという、世界一のサッカートレーニングセンターができました。これを首都圏、東北6県とどうつなぐか重要な施策と思います。なお伝統芸能の継承は子供たちにやっており、月に1回でも2回でも、ホテルなどのパーティに出演できるようお願いをしているところです。

◇浅野 私の個人的な見解ですが、実は北上川の川べりに流れてくる風の音というのは音の百選に選ばれています。それから何にもない田園風景、それは大変感動的です。田んぼに張った水に月が映っている景色は、涙が出るくらい感動的です。お祭りの方では、定禅寺通りのジャズフェスティバル、光のページェントなどをやっており、かなりの集客となっています。それから今年第1回のよさこいソーラン祭り、第1回のみちのくよさこいまつりも物凄いインパクトがありました。それから特筆したいのは2002年にワールドカップが宮城県の利府というところで開催することが決まったことです。宮城、利府、そして東北を今から売り込んでいきたいと思っております。また、仙台空港には各地の観光案内がなく、山形、福島などの観光ルートや物産についてもっとPRすべきだと思っております。

◇浅野 それでは、ただいま東北各県の考え方の表明がありましたが、各県とも観光振興に関しては思いが一致していると理解しております。そこで、今後、東北6県が一つになって広域的な観光に取り組んでいこうということを観光立国宣言として内外に宣言したいと思います。

<「東北六県観光立国宣言」後掲>

◇瀬島 ただいま、6県の知事(副知事)から力強い宣言がありました。私の東北に対するイメージは、ここに我が日本の大自然のふるさとが残っている。また、東北の方々は心細やかな温かい方々であって、これは我が日本人のやはりふるさとである。心のふるさとである。そのように思っております。

このような東北の特性から、東北の観光を振興することは、21世紀を目指す我が日本の心の再生に繋がっていくと考えております。ただいまの宣言については、東北6県の方々はもちろんのこと、政府もあるいは東北以外の方々もこれを強力に支援し、支持し、活力を持った21世紀に繋いでいきたいと念願します。

 

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全体会議の議長団

 

 

 

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