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岩手サテライト会場

 

ふるさとを想う心

――地域伝統芸能の有効活用

 

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岩手サテライト会場は「ふるさとを想う心〜地域伝統芸能の有効活用」をテーマに11月4日、盛岡グランドホテル「飛龍の間」で開催されました。まず、主催者を代表して増田寛也岩手県知事の挨拶(小野寺修岩手県商工労働観光部長が代読)のあと、門屋光昭氏(盛岡大学文学部教授)のコーディネイトにより、第1部では東北6県の地域伝統芸能を実演・上映するとともに、コーディネーターと伝統芸能実演者との会話により各芸能の認識を深め、これを踏まえた第2部では「東北における今後の地域伝統芸能の効果的な活用方法と誘客方策について」をテーマに出席者全員による討議・意見交換が行われました。この結果、伝統芸能を活用した観光振興のためには、次のような課題などがポイントであるとされました。

 

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会場風景

 

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コーディネーター

門屋光昭氏

 

1]地域伝統芸能は東北の財産である。しかし、伝統芸能を観光資源として活用するだけでは資源は枯渇してしまう。後継者を育てることにも十分な配慮が必要。

2]伝統芸能を観光資源として活用するには、通年化が望まれる。例えば、バリ島やハワイなど、伝統芸能を通年化することで成功している。まだ日本では通年化に様々な問題もあるが、四季折々の中で伝統芸能を見せることや、公開施設などを充実させることなどで通年化を図り、リピーターを獲得するなどの方法が考えられる。

3]伝統芸能は日本人の心を取り戻す重要な文化財である。参加体験、長期滞在により、その可能性は拡大する。しかし伝統芸能は参加体験システムの整備が十分でないので、各地の保存会等の努力や協力が必要である。

4]東北の豊富な伝統芸能を国内外により一層情報発信する必要がある。そのためには東北6県が広域連携することが重要である。

 

地域伝統芸能活用事例紹介

◇門屋 今日のコーディネーターを務めさせていただきます門屋光昭です。この会議では豊かな地域伝統芸能や民俗行事の実演を通して、それぞれの地域に根ざした特有性やバラエティを味わい、伝統芸能や民俗行事の奥行きを実体験し、その上で観光振興のために、これらの有効活用をどのように図っていけばいいのか。その方策を考えていきたいと思います。東北6県の主な地域伝統芸能の資料はお手元にあります。

一方、この地域伝統芸能の活用については、インドネシアのバリ島のガムラン音楽と岩手の鹿(しし)踊りや剣舞をドッキングさせた奇妙な創作芸能、あるいはJR東日本・仙台駅で今年で3年目になる「みちのく駅コン」で鬼剣舞の新しい演目を創作しました。それから現在、北上市立鬼の館では、月1回の鬼剣舞を公演、年1回の北上市大浄神楽大会、北上みちのく芸能祭りの鬼の館公演を行っております。本日のフォーラムは、そうしたノウハウの英知を出し合い、東北各地の魅力ある素材を活かす、活用する手だてを考えてまいります。

<東北6県の伝統芸能の紹介>

◇青森県「八戸えんぶり」

=紹介者(以下同):八戸観光協会・藤田良子氏

◇岩手県「岩崎鬼剣舞」

岩崎鬼剣舞保存会会長・和田国男氏

◇秋田県「願人踊り」

一日市郷土芸術研究会事務局長・土橋駒喜氏

◇宮城県「火伏せの虎舞」

中新田消防団団長・佐々木忠夫氏

◇山形県「新庄まつり(VTRで紹介)」

JR東日本新庄駅駅長・伊賀勝栄氏

 

 

 

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