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◇世良 昨年の香港路線開設にあたって、日本よりも香港人を呼び込む便にしたところ、香港からの外客は減りませんでした。その中身を見ると、関西に来て東京にフライト、帰りは新幹線で関西に戻り観光して帰るコースです。今の話を聞くと、雪と温泉は北海道より緻密度が高いのですが、PRが足りないと思います。

◇外村 青森のリンゴは非常に美味しかった。このような果物が東北地方にはいっぱいあるので、観光促進に使えばいいと思いました。旅行で一番大事なことは、食事のことです。

◇前田 次に、何をすべきかという点についてご意見をいただきたいと思います。

◇宮森 素晴らしいご意見が出ましたが、これをどう生かすかということにつきると思います。自治体の方には是非とも隣県との観光交流を図りながらネットワーク化を作っていくことが大切だと思います。

◇青木 せっかく東北6県で一緒に売り出そうという場合、どのように歩くかということを決めた方がいいと思います。これからの個人旅行は選択の幅が広がると思います。東北の空の玄関口-仙台空港の利用客増大も考えるべきです。客にとって必要なのは利便性です。

◇小野 弘前市の英語のパンフレットは素晴らしい。後ろに交通手段が書いてあり、さらに個人で回れるモデルコースも詳しく掲載されています。それから是非ホームステイとか人と人の交流を増やしてほしいと思います。

◇シモンズ どのようにしたら外国人のために分かりやすい案内が作れるのか考えています。インターナショナル・マーケティングが大事だと思います。

◇アントワネット 1つはアドベンチャー、もう1つはエキサイトメントという2つの言葉を考えました。アウトドアスポーツが出来るような所があればと思います。

◇チェイ 観光資源のうち、自然は十分です。それに人対人というソフト面を改良していけばPRできると思います。また、東北各県間の情報交換が乏しいように感じます。

◇前田 それではWAC委員の皆様に東北各県が取り組むべきことについて、ご提言をお願いいたします。

◇世良 まず、東北を日本にいる外国人に体験してもらうことが重要だと思います。

◇山口 まず交通手段の整備を中央、地方一体でやっていくことが必要だと思います。

◇舩山 “two way tourism”で一番ギャップがあるのがアメリカです。アジアに人気のあるのが九州です。外国人訪問客の都市別ランキングを見ますと、東京、大阪、京都、名古屋、京都、福岡と続きます。20位の中に東北は入っていないのです。これを見ても腰をすえてやる必要があると思います。それから交通の問題では、仙台・新潟のゲートウェイと東北各地をどのように結んでいくか。広域観光の仕組みを早く構築する必要があると思います。また、タクシーの運転手に対する指導パンフレットを見て感心しました。

◇遠藤 外国からの旅行客で企業インセンティブあるいは研修会議で東北めぐりするケースでは近くを見て1泊して帰ってしまう。クルーズ客を対象にした周遊ツアーなども考えていいのではないでしょうか。

◇井山 3点だけ申し上げます。1つ目は外国に東北の情報が伝わっていない。インターネットの利用や各県がまとまってPRをしていただければいいと思います。2点目は、一人で町を歩けるような仕組みを作って欲しい。3点目は、私どもで行っている受け入れ体制の中で、人気があるのはホームステイでなくホームビジットです。その場合、1〜2時間という短時間でも、外国人観光客が日本人宅へ行ける。台所や客間はどうなっているのか。布団はどのように敷くのか。これを紹介することを検討したらいかがでしょうか。

◇石月 やはり観光というのは古い物をどのように残すのかということだと思います。皆さんの知恵を結集して観光資源の保存を考えていただきたい。2番目は伝統文化、時代のニーズに合わせて少しずつ変えていいのではないか。ハードよりソフトの開発にお金をかけるべきと思います。それからその土地に来なければ食べられない、買えないという質の高い物が必要で、本物指向を目指していただきたいと思います。

◇前田 少し古いデータですが、東北6県のイメージを東京と大阪で調査したものです。観光資源の魅力では、青森が全国で4番目に良いとなっていますが、「温かい人情の魅力がある観光地」のイメージは青森が1位、2位秋田、3位岩手、4位が越後、5位に山形、6位に宮城、福島は7位です。上位を東北が独占しています。これこそ東北の持っている観光資源だと思います。この上に国際性のある意思疎通をどう加えていくかということではないでしょうか。

東北地区に外国人客を誘致していく課題をやや一般的、抽象的にまとめますと、第1番は持っている自然、文化資源は素晴らしい。だけど、いま一つアピールが弱くないか。あるいはプレゼンテーションにひと工夫、ふた工夫あってもいいのではないか。もっと東北の持つ観光資源の良さを国際的な視点から見直し、的確に表現していく必要があると思います。2番目は、持っている観光関連施設の特長の明確化です。3番目は、外国人観光客が必要としている情報の点検と整備です。4番目は、外国人だからといって、これが好き、これが嫌いという時代ではないと思います。色々な方に対応できるような受け入れ体制の整備が必要でしょう。

 

 

 

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