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(3)情報の管理者

 

(3)-1. 検証概要

 

対  象:情報の管理者

調査方法:ヒヤリング

調査期間:平成11年1月19日

備  考:特になし

 

(3)-2. 検証結果

 

情報の収集・報告者と同様に情報の管理者における課題も「情報管理業務の効率化」であった。その時間について、実験システム導入前が「収集に要する時間が10分〜15分、編集及び提供に必要な時間が15分、計25分〜30分」であったものが、導入後には「収集に要する時間が5分〜7分、編集及び提供に要する時間が15分〜30分、計20分〜37分」という結果となった。

これは、情報の入力、編集、提供というコンピュータでの入力業務を伴なう時、業務者の情報処理技術のレベルが情報流通のスピードに大きく影響することを裏付けたものである。情報処理技術レベルの高い業務者の場合、導入前とほぼ同等の時間で処理を終わらせているが、情報処理技術レベルの低い業務者の場合、導入前の2倍の時間を要していることが分かる。ただし、導入初期から約2ヶ月を経過した現在、実験の中で実際の情報処理を実践したことにより業務者全員が概ね同等のレベルとなっている。

また、業務の効率化による課題として、電話による情報の収集時における情報の鮮度、量、質等の面で品質の向上が図れなかったことがある。これは、業務の効率化を意識し過ぎたことにより、業務スピードを優先し、積極的な情報収集の意欲に欠けたものと考えられる。本来、日々刻々と変化する観光情報は観光地の状況を人間の感性、感覚をもって、よりリアルに、より詳細に伝達すべきものであり、情報の収集者と提供者のコミュニケーション密度の濃淡が重要となるものである。

 

 

 

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